表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3XXX  作者: 紫電
23/59

東へ

朝である。

昨日晩酌をしたせいか、少し頭痛がする。

まあこの程度の頭痛だったら別に冒険に支障はないのだが。

心配なのは仲間たちである。昨日あんなにべろんべろんに酔っぱらっていたので、今日の状態がどうなっているかは想像したくない。

と、そんなことを考えていると、ルセイが目を覚ましたようだ。

「おはようルセイ。昨日めちゃくちゃ飲んでたけど体調はどう?大丈夫?」

「昨日の夕飯の記憶がない以外は全く問題ないな。びっくりするくらい元気だよ。」

意外にも、ルセイは体調に支障をきたしてはいないらしい。

女子2人はどうだろうか。

俺はいったん部屋を出て、仲間のもう2人のいる隣の部屋へ向かった。

もうすでに起きていたらしく、ノックをしたらすぐに返事が聞こえてきた。

ドアを開けたソフィーに挨拶をする。

「おはよう。体調は大丈夫?」

「全く問題ないんだよね。記憶はないけど。」

ルセイと同じこと言ってやがるな。

「じゃあスティーノは?」

と、俺が聞くと。

「問題ありませんわー!」

とてもいい返事が返ってきた。


…え、この中で症状が出てるの俺だけなの?昨日は一番まともだったのに?


そんなこんなあって、全員体調的には問題ないということで今日も続きの旅路に着くこととなった。

今日の目的地は東へ向かい、ミルデューラという町に向かう。

この町は、砂漠の中にあるものの緑豊かなオアシス的な町である。

「ミルデューラ、一度行ってみたかったんだよな。行けてうれしいよ。」

と、ルセイが言う。

「なんで?なんか有名なものでもあるの?」

ソフィーが聞く。

確かに気になるな。

「俺、フルーツが好きでさ。ミルデューラはオレンジとかブドウとかの名産地なんだよね。」

なるほど。俺もフルーツは好きだから楽しみだな。

「今は夏ですし、おいしいブドウが出てくる季節ですわね~」

ブドウは品種によって取れる時期が違うと聞くが、今はどんなブドウが食べられるのだろうか。

そんな想像をしながら砂漠の中の道を、ひたすら歩いていく。


しばらくしてお昼時。少し休憩にして昼食にすることにした。

夏の昼の砂漠は危険な暑さになるため、荷物の中に入っている衣類を日傘代わりにかぶっている。

暑さのせいか、食欲もあまり出ないが、体は食べ物を必要としているので無理にでも食べる。


昼食を食べ終え、荷物をまとめていると、この間も出会った巨大なサソリと接敵してしまった。


「ソフィー!この間の作戦と同じで行くぞ!クロスボウ用意しろ!」

「了解!!」


なんだかんだあって、サソリを倒した後、俺は動かなくなったサソリの尻尾を切り取った。

これは何に使うかというと、サソリの尻尾は希少価値が高いらしく、質屋で高く買い取ってくれるのだそうだ。

良い値がついてくれるといいのだが。


サソリの尻尾を自分のバッグの中に入れ、まだ終わっていなかった昼食の片づけを終わらせる。

午後は相当急がないと日没までに間に合わなくなりそうだ。


日没寸前、たどり着けなかったかと思われた時、街の明かりとそれに照らされているヤシの木を見つけた。

なんだかんだあったが、今日の目的地、ミルデューラに到着することができた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ