武器
まだ暗い部屋の中、俺は目を覚ました。
時刻は午前5時。
まだ太陽は出ていないが、地平線が徐々に明るくなってくる時間だ。
今日は朝早くにこの宿を出て、ワイカリーへ向かわなければならない。
なぜなら、ワイカリーまでの距離は歩いていくと12時間はかかるため、早く出ないと到着までに日没を迎えてしまうからだ。
日が落ちた後は夜行性の魔物や動物が出てくる。
そいつらは昼間に出てくる魔物や動物たちとは比較にならないくらい強いので、接敵したらまず間違いなく死ぬだろう。
学校の授業でも教えられたことなので、仲間の3人もそれは把握しているだろう。
今日はまず武器を調達して、そのままワイカリーへ向かう。
日没の時間も考慮して、8時にはこの街を出たいところだ。
できるだけ早くチェックアウトを済ませてしまいたいので、まずは隣で寝ているルセイを起こす。
そのあと、隣の部屋のドアをノックし、スティーノとソフィーを起こす。
すんなりと起きてくれたので、4人で荷物をまとめ、ロビーへ向かう。
ロビーではいつもルセイがチェックアウトをやってくれるので、3人で喋りながら終わるのを待つ。
「武器屋って基本的に冒険者の人が使う店だと思うんだけど、あたし達に売ってくれるのかな?」
「冒険する者と書いて冒険者なんだから、今の俺たちにも当てはまるだろ。」
「まあそうか」
「皆さん、どんな武器使うとかは決めてるんですか?」
「俺はやっぱ王道の剣かな~。かっこいいしずっと憧れてたものだから」
「あたし、実は弓使えるんだよねー。だから弓があれば買うかな~」
えっ意外。
「私はお恥ずかしいですが、腕力はございますのでハンマー系とかでしょうか…」
…この人は予想通りだな。
そんな会話をしていると、ルセイがチェックアウトを済ませて帰ってきた。
「何々?どんな話してたの?」
「いや、どんな武器使うかで盛り上がってた。ルセイは名に使いたいとかある?」
「うーん…俺は重いものはあんまり振り回せないと思うから短剣2本買って二刀流でいこうかな~」
なにそれかっこいい。二刀流か。それもありだったな。
「まぁ、ここで話しててもなんだから武器屋に行ってみようぜ。」
「「「おー!」」」
そうして、時刻が7時を回ったところでアデレード近郊の武器屋に着いた。
「失礼しまーす」
「いらっしゃい。今日冒険に出発かい?」
「そうなんですよ~おすすめの剣ってなんかありますか?」
気さくそうなお兄さんが店頭にいたので話しかけてみた。
「そうですね…目的は何でしょうか?魔物の討伐でしたら切れ味のいいものがおすすめですし、単なる自衛でしたらそこまでこだわらなくても、丈夫なものでしたら安いものでいいと思いますよ。」
なるほど。分かりやすい。
「分かりました。じゃあ耐久性のいいやつをください。」
「はい。ではそこに並んでるものが耐久性のいい片手剣のコーナーなので、手になじむものをお買い求めください。」
おぉ。かっこいい剣がずらりと並んでいる。どれにしようか迷っちゃうなこれは。
「他のお客様はどうなさいますか?」
と、いう声が聞こえてきたので、後は仲間たちの判断に任せて俺は自分の武器探しに興じることにした。
しばらくして、自分の手になじむ剣を見つけたので会計へもっていく。ほかの仲間たちはもうすでに会計を済ませているようだ。
こういうので時間食っちゃうのは俺の悪い癖だな。
ともかく、自分の武器を手に入れたわけだ。そこまで切れ味がいいわけではないので、値段もそこそこ安く済んだ。
店を出ると、3人が待っていてくれていた。各自、武器を持っている。
ルセイは短剣二本を両腰の鞘に入れ、スティーノは巨大なハンマーを肩に下げ、ソフィーは背中にクロスボウをつけている。
みんなが思い思いの武器を持ち、長旅の第二ラウンドへと向かう。




