なんか知らないけど入金されてる!! ラッキーではありません 謎入金にご用心なのです
犯罪行為を容認するもしくは肯定する意図はまったくありません。
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ~。
GW明けから一日も休んでおりません。心身共にボロボロの雑巾のようなねこです。
今日はとうとう出勤途中に無意識に足が止まってしまいました。重症なのです。
このままでは危険だ。そう判断したので、エッセイを書きます。
書いたことがない方は何言ってんの? って思うかもしれませんが、文字としてアウトプットするということは、精神衛生上、メンタルコントロールにとても役に立つのです。
言語化出来ないけれど、怒り、悲しみ、不満、不安、そういったモヤモヤがある方は、ぜひエッセイを書きましょう。読まれたり反応がもらえるかは二の次です。自分自身に押しつぶされて動けなくなる前に騙されたと思って書いて投稿してみましょうね。
さて……エッセイジャンル活性化への宣伝はここまでにして。
このところ巷を騒がせていた誤送金のニュース、ご存じの方も多いと思います。
私はあまり時事的なニュースは、暴走気味になるのでエッセイの題材にしないのですが、誤送金に関しては実体験もあり、お伝えした方が良いかなと思うことがあったので、例外的に扱うことにしました。
細かい部分や経緯はぼかすのでご了承くださいね。
◇◇◇
数年前のことですが、私の口座に10万円の入金がありました。
今回の件のように市町村からであれば問題なかったんですが、送金主は全く知らない名前。会社なのか個人名なのかもそれだけでは判断できなかったのです。
「うーん……何かあったっけ?」
しばらく考えてみたものの、わからない。もしかして一時期ネット上の懸賞に応募しまくっていたことがあるので、そういうやつかな? なんて一瞬考えてみたものの、それどころではなかったのです。
実はそのとき、ある事情で口座の残金をゼロにしていたのです。
簡単に言えば、引き落としの停止が間に合わないので、そうしたんですが……。
その謎入金のせいで、バッチリ引き落としが成立してしまったのです。あああ、せっかくの苦労が。
慌てて連絡を入れて事情を説明したのですが、返金には少なくとも二カ月はかかるとの説明。しかも面倒な手続きまで必要という……くっ、謎入金の野郎……許さんからな。
さらに問題なのは、正当な入金であればまだしも、何かの間違いだった場合、返金しなければならなくなる可能性があるわけで……。
当時の私は、本当にお金がなくて、10万円を立て替える余裕など全く無かったのです。
散々悩んだ結果、私は警察に連絡しました。
こういうのは先手必勝なのです。私は人生でそう学びました。
何とかなるだろう、何か問題が起こったら動けばいい。
何とかなりません。問題が起こってから動いたのではだめなのです。
大変でしたよ? 色々書類や説明も大変だったし、口座情報を警察に見せたりするのは過去の経験やトラウマがあって辛かったですし、丸一日潰れてしまいました。
でも、結果的には正解でした。
警察の方が教えてくれたんですが、そうやってお金を送りつけて、後から脅してゆく犯罪グループが居て、今回のもおそらくその類かもしれないと。先方から何らかのアクションがあって、不審な点があったらすぐに連絡するように言われました。
数日後、封書が届いたのですが、お詫びの一言も無く、事務的に連絡先が書いてあるだけ。期限内に連絡がなければ法的な手続きをとると、脅し文句のような文章が並んでいました。
普通なら、銀行から組戻し手続きの連絡がはいるはず。
もちろん手紙の相手ではなく、警察に連絡しましたよ。
後日、警察から連絡があって、その犯罪グループは捕まったということですが、その際にどこから情報が漏れたかもわかって、むしろそっちの方が怖かったです。
結局、解決はしたものの、犯罪グループ同士で情報が共有されている可能性があると怖いので、口座は変更、引っ越しもする羽目になりました。
いわゆる誤送金ではありませんが、上手い話はないのです。皆さまもお気を付けて~。
そんな過去の苦い経験を思い出していたら、電車で六人の高校生たちが誤送金のニュースを話題に盛り上がっておりました。
まわりの空気を読んでとかではなく、全員がカジノに使ってしまった若者に同情的で、町の対応に不満を隠していなかったのが印象的でしたね。
何も知らない高校生が悪い? モラルや倫理観が失われて嘆かわしい?
国民の血税なんだから、返すのが当たり前だ?
うーん……届かないだろうな、と思いました。
大人が声高に唱える正論のようなものを、子どもたちは白けた目で眺めています。
道徳が失われて久しい日本。
個性と公共性に板挟みになって生きる現代の人間にとって、もはやモデルになる偶像は存在しません。
自己責任論。
そんな言葉が当たり前のように使われます。
良い結果になっても、悪い結果になっても、自分で決めたことなら自分で受け入れろ。
今回、4630万円という大金を突然手に入れた若者。
非課税世帯であったということは、ずっとお金に苦労していたのかもしれません。
悪いことだとわかっていながら、罪に問われると知っていながらも、カジノに使った気持ちはわからないではありません。
一万円を二万円に増やすのは容易ではないですが、100万円を101万円に増やすのは、確率的にそれほど難しくはないから。
本当はマイナスになる方がもっと難しくないんですがね。
色々調べて、少しずつでも返す意思を見せればOKという知識を得たのでしょう。であれば天から降ってきたようなチャンスに人生を賭けてみようと思っても不思議ではありません。
お金も無く底辺を這いつくばるようなつまらない人生。
でもある日、大金が振り込まれた。
興奮しますよね? きっと物語の主人公になった気分だったと思います。
日頃からお祈りしている人であれば、神さまが願いに応えてくれたと思うでしょう。
考えてもみてください。
ある日、間違って超絶美少女メイドがやってきたら。もふもふな天使がやってきたら。
あ、ごめんなさい、間違いだったから返して。
そう言われたって、一度手にしてしまった幸せを人間が手離せるわけがない。
たとえ世界を敵に回しても、泥水をすすったって、守り抜く。そう覚悟を決めるでしょう。
気持ちはわかる。彼が悪人だったのか、計画的だったのかはわからないですが、そうなった気持ちはよくわかる。善悪の問題ではなくて、人間の弱さを知っているからこそ、理解は出来る。
今の若者は貧困に苦しんでいます。政府は高齢者は助けても若者は助けようとしない。
だから、自分で何とかしようと頑張っている。
今回の一番の罪は、一人の人間の人生を狂わせてしまったこと。
彼は一生返せない罪と負債を抱えて生きて行かなければならない。
単純に量刑と金額を比べて、これぐらいならと判断したのはあまりにも楽観的すぎます。
一生日の当たらないところで、常に怯えながら生きてゆくことが果たしてどれだけ辛いのか。
自業自得? そうかもしれませんね。
でもね、私は思うのです。
もしも、名前を書いたら人を殺せるノートを拾った人間が、果たして使わずにいられるのだろうかと。
ミスをするのも、間違いを犯すのも人間。
間違いが起こらないするようにすることも大切ですが、そうなってしまった時に、どうするのか。
性善説でもなく、性悪説でもない。性弱説で社会は構築されるべきだと私は思うのですよ。