表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/99

魔剣、目覚める 1

今から、600年ほど前の話だ。

現在、俺たちのいるシーベルエ王国の北方に位置する魔導大国ガンデア帝国。

その冠名の通り、魔法技術においては当時は世界最高。その魔法を駆使した戦闘による軍隊も強かった。なぜなら当時は、召喚魔法や付属魔法は、ガンデアだけの技術だったからだ。その世界最高の魔導技術を使って行ったのが、世界統一計画と言う口上の世界支配だった。


当然のように、このガンデアによる侵略行為を他の国は黙ってみている訳がなく対ガンデア同盟を組み対抗する。これが世に言うガンデア魔大戦の序章である。

ガンデアも開戦当初は破竹の勢いだったが、シーベルエの広大な領地にある兵量と物量、科学大国ローキーの新兵器「銃」、カイナ国の現在でも世界最高を誇る海軍や諜報部隊などの同盟軍の適材適所の協力に圧されて徐々に敗退していくこととなる。最後には、ガンデアの帝都、グルアンにて、残った僅かな兵で閉じ籠もるしかなくなってしまう。


ところが、ガンデア王キンシュクは、諦めが悪かった。そうして、歴史に名を残す大馬鹿をやってしまった。


現在、発見されている異界の中で最も繋ぐのが難しいと言われている異界「ヘブヘル」から、魔王とその配下5人を召喚した。

魔王は強かった。一つの魔法で街一つ消すと言われていた。また、5人の配下たちは、異界ヘブヘルより、モンスターを大量に召喚してそれを兵として扱ったらしい。

そのど偉いお客様の力添えにより、ガンデアは同盟軍を一蹴し、再び世界統一計画を押し進めることとなる。ただし、愚かな王キンシュクは、国をそのど偉いお客様に乗っ取られちゃったけどね。


まぁ、魔王が世界征服を行っているとなれば、物語の舞台に舞い出てくるのが英雄だ。

シーベルエ王国の魔法騎士団副団長リンセン・ナールス。魔王の暴挙を止めるため独自にガンデアの魔法を研究していた天才ナールスは、苦心の末に魔王の故郷ヘブヘルから一本の剣を召喚した。

その伝説の魔剣『ペグレシャン』には、凄い力が隠されていたと言われている。残念ながら、その力に関する信頼性のある資料は全く残っていない。

きっと、魔王を一撃で倒せる凄くカッコノイイ必殺技が宿っていたと俺は切に願っている。

かくして、ナールスの手により振るわれたペグレシャンは、配下の一人サリトを切り裂き、魔王と残りの4人の配下を異界ヘブヘルへと送り還した。これにより、魔王によって国中をグチャグチャにされたガンデアは降伏。ガンデア魔大戦は幕を閉じることとなる。


後、魔王との対決から生還したナールスは、その魔剣ペグレシャンを元のヘブヘルに送り還そうとするが失敗する。異界ヘブヘルに繋ぐのは天才でも難しいってことだ。


「そこで、英雄ナールスはこの地『ナールスエンド』にその魔剣ペグレシャンを祠を作りて封印し、魔剣を悪用されないように見張るために自らこの地に封じたのである。分かったか、アレン。」


「はい」

いやぁ~、思いっきり知識を披露してしまったよ。そんな、俺の朝飯食いながらの長講義に嫌な顔一つせず聴いてくれるお前は最高だぜ。


「という訳で、待ちに待ったペグレシャンの祠に行こうと思います。 おっと、アレン、何だったら無理に俺について来ないで、ナールスエンドの観光してて良いぞ」


「いえ、僕も興味あるから一緒に見たい」


全く、しょうがない奴だなぁ。本当に可愛くてしょうがない。


そんな訳で、現在滞在しているナールスエンドの町から1時間半かかるペグレシャンの祠へと意気揚々と向かう俺達であった。


まぁ、これが大騒動に巻き込まれる発端である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ