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たまにはのんびりと 2

うーん、今日もダメだったかぁー。そろそろ、夕暮れだし、私みたいなか弱き美女がこんな所に一人で居たら危ないなぁ。帰るとしますか。


それにしても、我ながら良く失敗をしたものだなぁ~。クレーターの数が凄いことになっちゃってるよ。自然をこよなく愛する私はと~っても反省。エヘッ。


魔力の制御、魔法のコントロールはお手のもの。でも、やっぱりダメなんだよねぇ。魔法の威力を上げようとすると。普段より大きな魔力が私に従ってくれない。

今までは無理に威力を上げようなんて考えたことがなかった。だって、人間相手には十分なんだも~ん。


でも、クレサイダには私の魔法は通用しなかった。だから…次に会うときには絶対にアイツを殺る!


あれ、また悪魔ちゃんが出てきたぁ~。そうそう、今度、クレサイダ君に会ったらおしおきしないとねってことだよ!


そんな乙女な悩みを考えながら、宿屋ネイストの扉を潜ると…


「ニーセさん、お帰りなさい」


「あぁ~もう!エルちゃん、可愛いなぁ。お姉さん、癒されちゃう!」


頭をナデナデしてあげちゃう!


「ニーセさん、やめて下さいィ!恥ずかしいですゥ…」


ホォ、顔が真っ赤ですねぇ~。恥じらう姿がまた可愛い~。


「モォ、私行きますよ!アッ、もうすぐ夕食が出来るのでジン隊長呼んで来てください。いつもの場所に居ますんで」


モォ、照れちゃってエルちゃんは本当に可愛いなぁ~。ライ君の素敵なお母様に呼ばれて、さっさとお手伝いに走る後ろ姿もまた良いなぁ。健気だなぁ~。


オイ、ちょっと待て!何故、この私があの朴念仁を呼びに行かなくてはいけない?


不満を抱えながらも仕方なぁ~く、あの朴念仁を呼びに屋上に行ってあげる優しい私。


そいつは屋上で情けなく自分の腕を枕に横たわり寝てました。


なんかイラッと来たので、少し乱暴に起こしてあげようかなぁ~。私は杖に魔力を込め始める。


「ニーセか?」


チッ!こいつは魔力の気配を感じるんだった。


「ご飯出来るってよぉー」


ニッコリ微笑む私に無感動でそうかの一言だけ発して煙草に火を付ける朴念仁。

あれぇ~、此所までわざわざ来てあげた私へのお礼が無いなぁ~。


「で、何か得れたのか?」


脈絡の無い会話にさすがの私もビックリだぁ。


「トーテスの外で魔法を無駄打ちしまくってたのはお前だろう?」


貴方はレディへの口の聞き方を学んだ方が良いですよ。後ね、便利な能力を持ってても乙女の秘密を覗くなよー。今、貴方に無駄打ちをして良いかなぁ?


「まぁ、のんびりやるんだな」


私の表情を読んでかほざく朴念仁。

と~てもムカつくけど言い返せない。この男にはクレサイダの魔術防壁さえも貫いたレッドグラートがある。その魔具であろうライフル銃は私には使いこなせないけど、膨大な魔力をイメージし、コントロールする実力が欲しい。

どうしてもその技術を教えて欲しい。でも、この男にはぜぇーたいに頼りたくない!


「レッドグラートは、魔力をただ一点に向けて線を描くだけだ」


そんな憂鬱な美女の美しき表情にさすがの朴念仁も心を動かされたのか勝手に講釈を始める。

ナァ~、頼りたくないのにィ~。でも、貰えるものは貰っておく、それがニーセクオリティです。少しのイラつきは我慢します。


「お前がいつも無駄に派手に広がるイメージじゃなくて、一点に絞り込んでみろ」

今回だけは、“無駄に”の私への暴言は許してあげよう。

そうか、一点のみに集中するイメージ。狙撃手ならではの魔力の使い方。私の方が魔力量が高いのに、この狙撃手に威力で負ける要因はそこに合ったのかぁ。


「ほら、飯食いに行くぞ」


私が考え事をしている間に煙草を吸い終えた朴念仁。


オイ、テメェ!私の頭の上にあるその手はなんだ!私のような大人な美女を子供扱いとはどういう了見だ!


この朴念仁といるとどうも私の素が…私の中の悪魔ちゃんが出て来ちゃて困っちゃうなぁ~。

誤解されやすいようですが、ニーセ様はとても繊細で真面目なお方です。そして、あれは素ではありません。心に住み着く悪魔なのですよ、たぶん。


次話、ユキが帰って来てライシス達は更なる試練の旅へ!

お楽しみに!

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