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ふたり旅の始まり 3

窓から朝日が射し込み、何処からか小鳥の囀りが聴こえてくる。気持ち良い朝の目覚め。



というように起きたかった。

窓から見えるのは、ご来光前の僅かな光と炎の燃える光。オプションにデッカイであろう何かの雄叫び。気分の悪い目覚めだ。


ふと、隣のベッドを見ると早朝に弱いのかボーとしている青年。そんな可愛い顔してるとお兄さん襲っちゃうぞ。

そんなことを考えているとけたたましいノック音。


「お客さん、ドラゴンが村に来ました。急いで逃げて下さい」


ドアの外からそれだけ告げると走りさる宿の主。また、危険なことでメジャーな奴が来たね。


「アレン、とっとと逃げるぞ」

って、何で剣を抜くの君は?と思っているうちに窓から外へ素晴らしい身のこなしで、2階からダイブ。そのまま、火事の起きている方へもうスピードで行ってしまいましたとさ。

俺はもう知らねぇからね。と言いたいところだ。


はぁ~。あいつの荷物ぐらい持っていってあげますか。現代の英雄候補の観察も研究の一つだ。アレンがいれば、ドラゴンも恐れるに足らず…だろう。多分。



やっぱり、ダメだったみたい。アレンに追い付いて見た光景。俺は逃げときゃ良かった。


アレンは、水の魔法でドラゴンの吐く炎を防ぐ防戦一方、その青年の後ろで、この村駐在であろう騎士団3人がドラゴンの固い皮膚には無意味な鉛玉を必死に撃っている。何やってんだか、お前らがいつまでも後ろにいるから、アレンが動けねぇんだよ。散開しろよ、頭数多ければ取り囲むのは戦術の基礎だろ。

心で叫べても、身体が叫べないヘタレな俺。


マズイ、あいつ火を吐きながらアレンに近づいいてる。アレンは目の前が炎で見えてない。このままだと爪の餌食になるぞ。


間に合え~の、お願いは天に届いた。そして、俺のショボい風魔法の矢は狙わずしてドラゴンの目に当たってしまった。

わざとじゃないよ。偶々、目に入っただけなんだからね。


ドラゴンさんは相当痛かったご様子で予想以上に怯んでくれた。アレンや御当地騎士団も俺に注目。いや、今は見つめあっている場合じゃない。


「アレン、今だ!」


言ってみたかったこの台詞を聞いてアレンが飛び出す。痛みに暴れるドラゴンの背をピョンピョンと跳ね上がり、首の上で思い切りジャンプ。魔力を自分の剣に纏わせ白く輝く、そしてそのまま首を跳ねる。ドラゴンの首を一刀両断かよ。御当地騎士団さんも唖然。


静かに地面に着地するアレン。実に格好いいなぁ。


「スゲー、スゲーよ。アレン」


いやぁ~、良いもの見れたよ。興奮している俺に顔を赤くして近づいてくるアレン。


「アレン…。あんた、同志殺しのアレン・レイフォートか!」


その騎士団の一人のアホが言った言葉で、アレンの芸術的な天使の微笑みは消されてしまった。

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