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魔鍵セレミスキー 3

クレサイダ、目掛けて猛進するおっさんと俺。


「邪魔をしないで欲しいな」


召喚魔法を使いながら、中級魔法を使いやがった。魔力は無尽蔵かよ。


無用心過ぎた俺とおっさんは、爆発に吹っ飛ばされる。俺は頭から出血。全身に痛みが走る。

カーヘルが壁に叩きつけられた音が聞こえる。怯まずヒョロメガネに向かう。とっとと黒坊主倒して、アレンの援護に向かわねぇと。ふらつきながらでも立ち上がる根性を見せてやるぜ。


俺よりも根性のあるおっさんは、ダメージも気にせずに直ぐにまた突っ込む。


ニーセの魔法がおっさんの背中を追い越しクレサイダに迫る。

クレサイダの魔術防壁には焼け石に水だった。


しかし、目眩ましにはなった。その隙におっさんの大剣がクレサイダを間合いに捉える。


肉が切り裂かれる音。


「クソッタレ!」


おっさんの背中から真っ赤な液体とともに出る黒光りな鋭利な魔力の塊。

その刃が消えて豪快に剣を杖にしてなんとか膝を付くおっさん。背中からは血が溢れだしている。


「邪魔しないでって言ったよね」


再び身体を鋭き刃に変えて振り翳すクレサイダ。


そのクレサイダを魔術防壁ごと貫く赤い線。その線を視認してすぐに赤い筋に沿った豪炎の道が生まれる。

初代シーベルエ国王が授けた名を表す、レッドラートのシーベルエンス山脈の尾根を進軍する敵兵を一掃したという一撃必殺技、レッドグラート(赤き尾根)。


本当に一撃のみの必殺技のようだ。普段は汗一つ掻いた素振りを見せないジンが魔力を使い果たして立っているのがやっとだと言うように息を粗くしている。


「邪魔をするなと言っているだろー!」

まだ、くたばらねぇのかよ!マジで化け物だ。


動き出すクレサイダ。だが、身体の構成物質である魔力がレッドグラートにかなり相殺されてサイズが小さくなっている。

俺の雷の矢とニーセ炎の矢が命中する。


飛んでくるクレサイダの報復。俺もニーセも魔術防壁を展開するが、その魔法の威力を相殺しきれない。


ニーセに続いて俺はまた宙を舞う。

クソッ、身体の痛みを堪えて立ち上がるのがやっとだ。


「だから、邪魔しないでって言ってるでしょ」


ウッセェー。テメェは同じことしか言えないのかよ。


再び、召喚魔法を開始するクレサイダ。俺は意味の無いと分かりきっている初級魔法を撃つ。


地面から現れる異界の門。


「遂に!この時が来た!」


歓喜の声を上げて、セレミスキーを扉に当てようとするクレサイダ。魔王召喚一歩手前。


「俺を忘れてねぇか?クレサイダさんよぉ!」


クレサイダの中心を貫く魔力を帯びる大剣。消滅する異界の門。


「キサマァー!」


再び、おっさんの身体を貫く黒い刃。


「あんた…ちょいッと、消えてくれや」


おっさんの剣に宿った魔力が爆発する。


その黒煙が消えて、見えてくるおっさんの大きな背中。


そして、現れるさらにサイズを縮めたクレサイダ。


「クソー、魔力が…魔力を回復しないと」


魔力で構成された黒い塊は、かなり散らされていた。


「クソォー!キサマら、覚えてろよォー!」


一際大きな爆発を起こす。俺の側に飛んでくるおっさん。


何とか支えようとして、二人で倒れ込む。



身体を起こすが既にクレサイダの姿は無い。ヒョロメガネも居ない。


滅茶苦茶な大聖堂に残されたのは、俺たちと教皇始め聖騎士達の遺体。


そして、クレサイダが残して行ったヘブヘルを含む5つのセレミスキー。

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