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魔鍵セレミスキー 2

崩れて白い石くれになってしまった歴史的大文化財。ぜってぇーにあの黒坊主は許してなるものか!


不意に光り出す石塊。違う光っているのはそれまで、神像の装飾としてしなかった宝石。


宙に浮かびあがる7つの輝石。この地獄絵図な大聖堂を神々しく照らす。


炎の壁に阻まれ動けない俺達に代わり、黒坊主が素早く動き出す。


その中の一つを手に収める。

そこを狙ったジン、ニーセと俺による集中砲火。残念ながら黒坊主は魔力防壁で、無傷だ。


「これが神天界アールのオシリスの鍵かぁ~。全く素晴らしい!」


歓喜にうち震える黒塊。気色悪い。


「セレミスキーじゃないのですか?」



魔鎗を持っていても、アレンとカーヘルが相手では分が悪いのか逃げに転じているヒョロメガネが皆を代表してくれた。


「この世界ではそう呼ばれていたねぇ。元々は全ての世界を管理する為に、神天界のオシリスが造ったものだよ。好きに異世界の門を開いて召喚し放題って代物だ。この世界のセレミスって馬鹿がオシリスからパクったから、オシリスは異世界を管理することを止めたんだけどね。そのおかげで異界人が異界を荒らすことが出来るようになったのさ」


ジンのだめ押しのもう一発で黒坊主の話は中断。しかし、ジンの舌打ちがその一発の効果を表している。

黒坊主は何も無かったように他のセレミスキーに手を伸ばし話を続ける。

「成る程ねぇ、アール、ヘブヘル、クーレ、フィフレ、アース、フォートン、ゼロランドの7つの異世界の召喚陣を分けてあるのかぁ~」


ご機嫌にセレミスキーを回収中である。


「ところでぇ~、クレサイダさん?それ、何に使うんですかぁー?」


感情の籠らないニーセ様がとても怖いです。手を止めて馬鹿笑いをする黒塊。


「決まってるじゃないか!僕は全ての世界を制する力を得たんだよ。そうだな。まずはヘブヘルから、魔王シールテカ様を喚んで、この世界を献上しよう。きっと、僕を褒めて下さるだろうなぁ」

ご満悦至極に次のセレミスキーに手を伸ばす俺の中でクレサイダ確定の黒坊主。


こいつは本気でこの世界を征服する気だ。


「これだ!これがヘブヘルの鍵だ!魔王様、今喚びます」


クレサイダは喜色満面、と言っても表情は分からんが。光りが増すヘブヘルへのセレミスキー。


まずい、魔王を喚び出されちまう。


俺たち目の前の勢い激しい炎が豪風に掻き消せれた。


「隊長、止めてください!」


ニーセの初めて聞く必死な声。


「分かってる!」


おっさんが飛び出した。及ばずながら俺も続かせて頂く。


異界人にこの世界をぶっ壊されて堪るか!

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