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魔剣vs魔鎗、そして奸雄現れる 4

俺の大活躍により、勝利への道が広々と開かれた。しかし、相手には、魔鎗エレウイクがある。そして、俺を背中からグサっとやってくれたニンジャ野郎もいる。手放しで油断は出来ない。



誰にも動きが無い。誰が最初に動くか。


こうなると真っ先に動きたくなる天の邪鬼な俺ですが、それは敵さんの的になることと同意です。軽い気持ちで先陣はきれません。


「成る程な」


怒りを堪えてか声を震わすヒョロメガネ。


「ライシス・ネイスト、貴様がどういう人間か良くわかったぞ」


そいつは早計ですよ。俺はいつもこんな卑怯な手を使っている訳では無い。いつもはアレン達に戦闘は全て任せきっているからね。そういう人間です。



「やはり、貴様にニーセ様を渡す訳にはいかない!!」


ニーセ様は此方で受け取りを拒否させていただきます。

怒号と共にまた迫ってくる鎗先。

届く訳がない。

アレンが居るから。俺もいい加減アレン頼りを止めなくてはいけないね。


「邪魔をするな!女顔!」


おい!敵だからって身体特徴で人にあだ名を付けるのは失礼だぞ、ヒョロメガネ。


「アレン!離れてたらヒョロメガネのやりたい放題だ。俺のことは気にしないで、思いっきり突っ込め」


愛嬌のあるニックネームならば失礼にはならないのだ。

アレンは頷きらしき小さな動作を行い、ヒョロメガネに大きな炎弾を放つ。それに対して相手は魔術防壁を展開、爆風と炎が立ち上る。そのまだ燃え残る炎を恐れるに足らんと突っ込むアレン。火傷に気を付けろよ~。


俺の直ぐ横で鉄がぶつかる音。


「ボケっとしているな!」


俺と舌打ちしやがったニンジャ野郎の間に立つユキ。危ネェ、今度は脇腹からグサリだった。

俺が間に入れないニンジャ二人の打ち合いが再び始まる。


ジンに腕をやられて大袈裟に叫ぶアダ名を付ける気もない銃兵。


ヒョロメガネをアレンに任せるとすると、後の邪魔者はあの不気味な黒フード。


その黒フードが俺に向かって手のひらサイズの火の玉を放つ。


それを見て、素早く俺の前に出るエル。


エルの魔術防壁の展開。何故かそれで安心を感じない俺。それどころか恐怖が背筋に走る。あの魔法はヤバいと…


俺はエルを素早く押し倒して、エルの上に身体を重ねる。決して変な意図はない。


「ヒァッ!」


エルによる俺の理性を削る可愛らしい悲鳴。

俺達の上を通る高熱の物体。触れずに俺の背中を服ごと焦がしていく。

後ろにあった俺の精魂込めて作ったスープに直撃し、熱風が俺達を襲う。

俺の魂の籠ったスープは一瞬で蒸発、アレンよりも長く旅を共にしてきた大事な俺の鍋はドロドロの赤い物体へと様変わりしていた。


アイツ、易々と上級魔法を使いやがった。俺が背中を犠牲にしてエルを庇わなかったら、エルの魔術防壁越しに俺達二人はオーブンの如く黒焦げだ。「アーァ、その生意気な野郎だけじゃなくて、その赤いローブの子諸とも火葬してあげたかったのになぁ~」


黒フードのふざけた台詞を三発の銃弾が貫く。


千切れて地に落ちる顔を覆っていた黒い布切れ。銃弾の直撃で黒フードの取れた男。いや、男なのか?


「お前は何者だ?」


頭が混乱でヒート寸前の俺達を代表して冷静に質問するジン。


フードの中に顔があると思っていたところで背景の闇に溶け込みながら蠢く黒い物体が、何処から発しているのか解らない声で質問に応じる。


「僕かい?僕は異界ヘブヘルから、600年前に召還されたクレサイダだよ。信じてくれなくても良いけどね」


俺の真似でハッタリの可能性大だ。

何故なら600年前に、魔王配下5人の一人として喚ばれたクレサイダは、ナールスのペグレシャンに切り裂かれてた筈だ。


但し、確実にハッタリ出ない強さを持っていること。身体と言って良いのか解らんが、身体の構成物質が明らかにこの世界の生物の物でないことははっきりしている。


その黒い塊はさも可笑しいと言わんばかりに闇に揺らいだ。

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