番外編:ライシス先生の魔法講座
えー、今回は魔法に関して分かりやすく説明したいと思う。俺の研究の専門外なので詳しいとこは分かんないけどね。
まず、魔法を使用する際に最も重要なもの。魔力についてだ。まあ、この世界に住んでいる生植物は身体の中に少なからず持っていて、ある一定量までは時間とともに体内に貯蓄される。ただ、その一定量は、生植物個々で変わってしまうし、身体の成長とともに成長するし、衰えもする。
現代の科学で分かっているのはここまで。魔力は食べ物から摂取しているとか、大気に魔力の元があるとか、生植物の身体に魔力を造る器官があるとか様々な学者の仮説はあるが、結局のところ魔力が何なのかは、何から創られているのかは分かっていない。
まぁ、主に人間の使う魔法はその魔力を元にして使っているということにしておいてくれ。
次に語るは魔法の発動の仕方。
まず、はじめに体内より魔力を取り出す。この時、取り出した魔力の大きさにより、魔法の効果の強さが異なる。初級、中級、上級という等級で魔法の強さを分類されているがようは、魔力をどれだけ取り出したかでどれだけの魔法効果が出たかである。明確な基準は設けられてはいない。
俺が良く使うようなちょこっとの魔力で、雑魚一体倒すぐらいのが初級で、アレンが使うかなり手強い敵を一撃で葬るのが中級、過去、ガンデアでの魔王様の使ったという一キロ四方を焼き付くしたのが上級。
別に、俺も中級魔法が使えない訳じゃない。残念ながら、アレンとの違いは、魔力を取り出す速さである。これも、人によって異なる。まぁ、鍛練を積めば少しは速くすることは可能なのだが。とにかく、戦闘での魔法は、如何に速く多くの魔力を取り出せるかになる。
次に、その魔力をどうするか決めること。
俺やアレンは頭の中でイメージしている。
俺が良く使う魔法を用いて説明すると、まず、雷、その次にボール、当たったあとに弾ける。これで魔法の完成である。
アレンの使う付加魔法は、剣を覆う感じに頭の中で設定している。
このイメージは慣れである。いきなり、火柱を上げろと言われても俺には想像が出来ない。
だが、いつも使い慣れた魔法はいくらでも想像できる。そういうことです。
ただし、いくら想像出来ても魔力量が足りなければ意味がない。街を一つ消す火魔法を想像したとしても、魔力が少なければライターぐらいのショボい火が灯るだけである。
さらに、別に魔法を使うために頭の中で妄想する必要はない。要は、魔力の使い方が定まっていれば良いのだ。その魔力の使い方を表したのが、魔法式を用いた魔法陣である。
ガンデアで発明されたこれは、あらかじめ場所、時間、人、物、現象などの設定をこと細かに記しておくことができ、魔力を込めるだけで正確な魔力の利用設定の必要な召喚、転移が出来るようになった。イメージの大変な魔法を使うときに書いておけば、まず間違った魔法を使うことはない。
しかし、問題点は二つ。書くのに時間がかかって急な戦闘や乱戦には向かない。
魔法式が正確でないと魔法が発動しなく、魔法式を専門とする専門家ぐらいの博識者じゃないと書けない。
まぁ、一般庶民が気軽に使えるものではないということである。
纏めると、凄い魔法を使うには、大量の魔力を取り出して、その魔法を素晴らしい設定を持って放てば良いということだ。
まぁ、長くなっちまったが魔法講座はこんなもので。