魔剣、目覚める 5
「俺がドラゴンを抑える。カーヘルはゴーレムを。ニーセと坊主達は援護を頼む。坊主達は無茶はするな。行くぞ」
敵さんが動き出すと、水を得た魚のごとく、戦闘を得て別人となったおっさんの激が飛ぶ。様になってるなぁ。あの気さくなおっさんがまるで軍の部隊長だ。まさに獅子奮迅というように大剣を振り乱し、近寄る骸骨さんを骨の欠片へと叩き壊す。
「アレン、俺のことは良いからおっさんの援護に行ってやれ」
「分かった」
直ぐに走り出すアレン。すぐさまおっさんに並んでドラゴンの周囲の骸骨たちを蹴散らす。言ったの俺だけど、ちょっとは俺の心配もして。横から飛び出してくるすきだらけ骸骨を一体を切り伏せ、もう一体と剣を合わせてつばぜり合い。俺がそいつと見つめ合っているすきに飛び掛かってくる集団。
絶体絶命と思いきや、後ろから飛ぶ大量の風の刃。俺の只今のお相手を邪魔する奴らに全弾命中。素晴らしい魔法コントロールをお持ちですね、お姉さん。俺のお相手には、腹に蹴りを入れて痩せ細り過ぎた顔を剣で引っ叩いてお別れした。
「私、チマチマとやるの趣味じゃないの。大きい魔法を使いたいから、ライシス君、今だけ私を護るナイト様になってくれない」
「一生でもよろしいですよ。お姫様」
「アラ、困ったわ。カー君と二股になっちゃう」「ふざけたことを言ってないで、早くこいつを何とかしてください」
ゴーレムの大振りな攻撃をかわしながら、襲い掛かってくる骸骨戦士たちを精錬された剣技で薙ぎ倒しながら、怒鳴るという器用なカー君。
では、その頑張りに応じて、俺は今魔力を練り始めたニーセ姫に死にかけの悪い虫を寄せつけないよう奮闘させて頂こう。
アレン、未だに名前の出てこないおっさん、カーヘルのおかげで手の空いている骸骨戦士は3体。これならば俺もお役に立てる。
お得意の初級雷魔法をタイプ球状で投げつけ一体を黒焦げにして一体に突きをかます。最後の一体の斤をバランスを崩して尻餅を突きながらも何とかかわして、相手の足に横薙ぎを喰らわせてフィニッシュ。あぁ、尻餅で尻は痛し、格好悪くて心は痛いけど少しは役に立っただろ、俺。
そんな俺の鉄壁の守護のお蔭で整った小さな赤い魔法弾を放つニーセ嬢。カーヘルが惹き付けておいたゴーレムの足元へ。2メートルを越える火柱でゴーレムさんの火葬が終了。
何事もなかったかのように、彼にとっては雑魚の骸骨戦士を圧倒するカーヘル。溢れた奴らには、ニーセの初級魔法が当たっていく。
うん、こっちは大丈夫そうだ。次はドラゴンさんだな。
様子を見るが、おっさんとアレンの即席コンビは中々相性が良いようだ。おっさんの大きな身体と大きな剣を利用したパワー重視の攻撃とそれをサポートする小さな身体と細やかな剣技のアレン。おっさんにちょっと嫉妬するほど二人の息が合っている。
ドラゴンも必死に火を吐き、腕を振り回すが、全く攻撃が当たらない。骸骨さんたちも参戦するものの、おっさんに叩き飛ばされるか、アレンに切り倒されるの2パターンで戦線離脱していく。
「よしっ!決めるぞ、坊主!」
ドラゴンの炎をかわした瞬間を狙って懐に飛び込むおっさん。おっさんを目掛けて降りてくるドラゴンの腕。その鱗に守られた固いであろう腕を横にかわして大根ように丸太切りにするおっさん。四本中、一本の前足を失ない前のめりに崩れるドラゴン。その首を狙うは、我らがアレン。おもいっきり叩き切る。
だが、ドラゴンに夢中だったアレンの隣からは、骸骨戦士残党が一体。さすがのアレンもその虚を衝く攻撃には対応できない。だが、そのアレンを傷付けようとする不届きものは、横から雷の弾丸に撃ち抜かれる。
「ライ兄、アリガト」
なぁに、お前の為だ。やっぱり、アレンをサポート出来るのは俺だけなのさ。別におっさんに嫉妬してる訳じゃないからね。
次に、番外編を入れさせて頂きます。