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魔剣、目覚める 4

走り出したアレンが入ったのは、かつてナールスが使っていたであろう朽ちかけたボロ小屋。

追って入った俺たち。


「アレン君、もしかして、祠から出て直ぐに見えたこの小屋に入っただけなのかしら?」


小さいテーブルにベッドと釜戸しかない小屋の中を眺めているアレンに心の目の真実を問いただす女。


「ハイ…」


自信を失った返事。

「面白れェ、坊主だなぁ」


おっさん、あまり笑わないでやってくれ。


「はぁ、時間の無駄かぁ」


溜め息を付くのも時間の無駄だぞ。


肩を落とし、諦めムードの俺たちはここでアレンの心の目の広さに気付くことになる。


おもむろに、ナールスの壊れかけのベッドを動かすアレン。おーい、一応それ文化財だぞ。止めようとした俺を止めたのは、ナールスの寝床の下に現れた魔法陣と古代文字。寝床ってこういう意味だったの。ナールスもなかなかお茶目な謎かけをする。


「坊主!でかしたぞ!」


アレン、でかしたぞ!世紀の大発見だ。

「ウーン、この陣は、転移陣ねぇ。しかも、この世界ではなく別の世界に飛ぶわ。しかも、現在、召喚魔法で発見されていない世界ね。ライシスちゃん、この文字は何て書いてあるの?」


解説ご苦労魔導士さま。ここからは俺に活躍させろ。


「ちょっと待て。先に…『この先にて勇気を示せ、勇気ある者に魔剣を託す』」


「つまり、この魔法陣を使って飛んだ先に、勇気を試す試練がある。それをクリアすれば、魔剣をもらえるってことですね」


そういうことだと思うぞ、カー君。


「ではでは、早速、魔法陣を発動させまーす」


俺以外の三人から賛同の声。転移魔法陣に魔力を込め始める魔女。ちょっと待て何処に転送されるのか分からないんだぞ、心と身体の準備をしてから。

またしても、俺が止めるまえに光輝く床、消えた美女。


「悪いが、お次に」

まだ発動中の転移陣に入って消える。おっさん。その後に続くカーヘル。そして、アレンも…、入ってちゃったよ。

ハァ~、とカー君直伝の時間の無駄を行い、独りだけ置いてきぼりが嫌な俺はついていくことにした。



着いた場所は、5人以外何にも無いどこまでも拡がる真っ白な空間。恐らく、魔導の天才ナールスが創った世界なのだろう。


「で、どうやって勇気とやらを示すんだ」


尋ねる相手を間違ってるぜ、おっさん。俺じゃなくてナールスに聞くんだな。まぁ、ナールスは直ぐに応ええてくれた。

俺たちの周囲を囲んでいきなり浮かびあがる大量の召喚陣。出てくるは、ドラゴン、ゴーレム、そして、大量の骸骨の戦士たち。誰の目にも明らかなほど単純明快な『勇気を示せ』のお答えです。

他の皆さんが武器を構えるのに合わせて俺も微弱ながら、腰の剣を抜かせて頂く。


もしや、ここがナールスさんに知恵で勝った人の墓場になっているから、魔剣が今まで見つからなかったのではないだろうか。この場で生き残らなければ全く意味のない歴史的考察である。

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