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side 王国 高村視点

「高村様、御同行願います」


騎士団長が騎士団を連れてやって来たと思ったら厄介そうな事を言ってきた


「理由を聞いてもいいか?」


「高村様に謀反の疑いがかかっております」


まったく心当たりがないな

「何があったかだけ聞いてもいいか?」


「まずは御同行をお願いします」

行かないことには教えないってことか

渋って変に疑われてもしょうがないから行くしかないな


「一つだけ教えてくれ、これは国王の指示か?」


「それは言えません」

この感じは実際には国王の指示ってことか。言えないってことは表向きには支持していないと。


「わかった、行こう」


「助かります。それでは失礼します」


「おい、何をする」

騎士に何かを嗅がせられる

俺は意識を失った


目を覚ますと薄暗い部屋の椅子に座らされて、拘束されていた


「どうゆうつもりだ?」


「聞きたいことがあるだけですが、暴れられると私たちでは異世界人の方達を抑えるのは一苦労ですからね。拘束させて頂きました。聞きたいことが聞けたらすぐに拘束は外しますよ」

判断をミスったな。拘束も外れなさそうだし、嫌な予感しかしない。


「今度は教えてくれるんだろ?何があったんだ?」


「ご存知かもしれませんが、帝国の侵略に向かった隊が壊滅しました。しかも街でではなく、村でです」


「な!……川霧達は無事なのか?」


「あなた達のお仲間である4人は行方知れずです」


「そんな……」


「どうしてあなたが拘束されているかがわかりましたか?」


……川霧達が兵士をやったと疑われているのか。そしてその指示を俺が出したと


「言いたい事はわかったが、俺は何も知らないぞ。壊滅した話も今知った所だ」


「そうですか。我々も、はいそうですか。とはいかないのですよ。正直に話ては頂けませんか?それとも高村様は、たまたま村に兵士500人と異世界人4人に勝てる猛者がいたとでも言うつもりですか?」


……それは考えにくいな。状況的には4人がやったとしか思えない、

でも川霧が俺を裏切るとは到底思えないんだけどな。


「川霧がやったと言いたいんだろ?」


「先程も言いましたが、お仲間の4人とも行方がわかっていません。兵士は全員捕虜になっているんですが、不思議ですね」


「捕虜になってるなら、開放して確認すればわかる事だろう?」


「国王様は捕虜は見捨てる判断をいたしました。それに兵士を解放した所で、真実は川霧様のスキルでどうとでも出来ますよね?」


川霧のスキルが裏目に出るとは思わなかった。岡野辺りが何かやらかすと思って川霧に行かせたのにな。

川霧の職業は詐欺師だったから、スキルで変装したり話術で真実を誤魔化したりと、実際に間違った認識を兵士達に植え付ける事は出来るだろう。くそっ!


「……そうだな。だが、俺は川霧の事をよくわかっている。あいつはこんな事をする奴じゃない」


「であれば、異世界の方達は村にたまたまいるくらいの人にボロ負けして、仲間の兵士を置いて姿を消すくらいの強さしかないってことですか?そうであるならば、今までのような待遇は必要なさそうですが…」


くそ、どうやった所で失態を犯してる。

これを認めるって事は今の地位を捨てるってことだ。

それは困る。


「この世界に俺らより明らかに格上な存在はいないのか?俺らが弱かったわけではなく、天災の様な存在がだ」


「いないわけではない。ただ私達の知る限り、帝国の人間にはいない。仮にいたとして、兵士を殺さずに捕虜にする必要がわからない。それも異世界人だけを除いてな。全員が惨殺されていたとかならまだわかるんだがな。」


くそ、なんで兵士を殺さなかったんだ?意味が分からない。

「仮に川霧達が裏切ったとして、なんで兵士を殺さずに捕虜にしたんだよ?あいつなら容赦しないと思うんだけどな」


「あなた達が住んでた国では人を殺すような事は日常ではないのでしょう?その時になって躊躇したのではないですか?それか帝国に恩を売るために捕虜にしたか」


くそ!どうやっても川霧達が犯人にしかならない。


「我々の中では既に川霧様達が裏切ったという認識は確定事項ですよ。状況がそうとしか考えられませんからね」


確かに理由はわからないが、状況からするとそうとしか思えないな


「俺は信じないが、状況がそう言っているのはわかった」


「そう言っていただけると助かります。これでやっと本題に移れますよ」


仕方ない。川霧達の事は一旦見捨てるしかない。

俺にとって大事なのはここからだ。


「俺は何も知らなかった。知らないんだから、何を聞かれても答えられないぞ」


「先程も言いましたよね?それで、わかりましたと言う事は出来ないんですよ」


「だったらどうすればいいんだよ?」


「裏切っていないと証明していただきたい」

どうやってだよ!知らないものは知らないんだよ。証明しようがないだろ!


「知らないんだから証明のしようがないだろ!」


「それは困りましたね。一応、私達の方でも確認する方法を2つ用意してありますがどちらが好みですか?」

絶対にどちらもろくでもないことだ。


「一応聞かせてくれるか?」


「私はどちらもやりたくないので今すぐに正直に話して欲しいんですけどね。一つ目はこの首輪を付けて頂くことです」

騎士団長が黒い首輪を見せてくる


「なんだ、それは?」


「隷属の首輪です。通常は奴隷に付ける物ですが、これを付けると主人の言うことには逆らえなくなります。同意無しでは効果が発動しませんので、ご自身で付けてくれれば嘘は言えなくなるので証明になります」


「……証明出来たら外せるのか?」


「こちらは一度付けたら本人か、主人が死ぬまで外れません」


ヤバすぎるだろ

「却下だ」


「ではもう一つの方法ですね。首輪を付けたくなったらいつでも言ってください。我々が隠し事は無いと判断がつくまでは制限なく続けますので」


騎士団長が下がり、代わりに別の男が俺の前に立った


「ここからは私がやらせて頂きます。安心してください。私はプロです。殺しはしませんし、再起不可にもしませんので」

嫌な予感はしていたが、まさか、本当にやるつもりか?


男が釘を俺の人差し指の先に当てる


「おい、やめろ!」


「まだ何もしてませんよ?それとも首輪を付けますか?」


首輪を付けたら死ぬのと同じだ。


「……首輪は付けない」

男が釘をハンマーで打ちつける


「ぐあぁぁぁぁ……」


「話す気になりましたか?首輪でも構いませんよ?」


「はぁ、はぁ、はぁ。知らないものは知らないんだよ!」


「そうですか」

男は釘を引き抜くと今度は中指の先に当てる


「ではいきますよ?いいですね?」

くそ!良いわけないだろ


「…………。」

俺が何も答えないのを確認して男はまた釘にハンマーを降ろす


「ぐぅあぁぁぁ……。はぁはぁはぁ」

交渉術のスキルでこいつの求めるものを見て俺は絶望する。

こいつ、拷問がしたいだけだ。人を傷つける事に快楽を覚えてやがる。

くそ!国も俺のことわかってやがる。

下手な人材使って取り込まれないように対策して来てやがる


「次いきますよ」

スキル使わなくてもわかる。こいつの顔が生き生きしてやがる。

騎士団長が俺の事を信じてくれるまで耐えるしかない。


「っぐぅあぁぁぁ……」


「後は任せましたよ。私達も忙しいので、何か進展がありましたら呼んでください。くれぐれも殺さないように気をつけてくださいよ。一応治癒士は待機させておきます。」

信じられないことに騎士団長が部屋から出て行こうとする。

騎士達も付いていくようだ。

そうなると部屋にはイカれた野郎と治癒士らしき男だけが残る。


「おい!どこに行くんだよ?俺が裏切ってないって証明してくれるんじゃないのかよ?」


「私も忙しいんですよ。あなた1人に構ってる時間はないんです。ある程度の時間は掛かるんでしょうからまた後で様子を見に来ますよ」


騎士団長達が部屋から出ていき、そこから数時間、地獄の時間が続き、やっと騎士団長が戻ってきた

なんとか耐え切った。


「話す気になってはいないようですね?」

え……?


「それではまた来ます」

そう言って騎士団長は出て行ってしまった。

まだ…まだ続くのかよ……。


結局、終わるまでには1日程経っていた。

心も身体も、もうボロボロだ……

少しでも面白いと思って頂けましたらぜひ下部より★の評価をお願いします。


誤字報告とても助かっております

ありがとうございます


カクヨムにて連載中の

「イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・」

宜しければ読んでください

こちらカクヨムにて日間・週間・月間にて総合ランキング1位になった作品になります!

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