side 王国 国王視点
オーラス国城
会議室に我と宰相、騎士団長が集まって卓を囲っている。
先日出発した帝国への侵略の件で集まっているのだが、騎士団長はありえない報告をしだした。
「兵が全滅したというのはどうゆう事だ!」
報告する騎士団長に怒鳴る
「確認に向かわせた兵の報告によりますと、帝国領に入り1つ目の村を襲って補給をしたのち、次の村も襲おうとしたところ壊滅したようです。どちらの村も現在住民は住んでおらずなにが起きたのかは不明ですが、戦った跡から推測するに一方的にやられた可能性が高いとのことです」
「帝国から賠償の要求と捕虜の返還について書状が届いています。」
宰相が報告する
「払わない場合は戦争か?」
「そうなる可能性が高いかと」
「勝てると思うか?」
「異世界人がこちらに多数いる以上、負けは無いと言いたい所ですが…先の侵略では異世界人4人を含む兵士500人がやられています。しかも、捕虜の殆どは片腕を斬られてはいるものの死んではいないと……。」
濁しながらも宰相は勝てないと言っているようだ
「あちらにも化け物みたいな奴がいるって事だな?」
「はい。ただ、帝国にも猛者はいましたがここまでの人物には心当たりがありません。急に現れた事を考えると、同行した異世界人が裏切った可能性の方が高いかも知れません。それか、行方知れずの異世界人の仕業か」
確かにその可能性の方が高いな。帝国の人間が異世界人4人を軽く倒すとは考えにくいからな
「その場合なら勝算はあると?」
「4人又はその内の誰かが裏切ったのであれば、問題はないと思われます。あの者たちより強い者はまだおります。ただし、今回の人選は高村に任せておりましたので高村の指示なのか、4人の独断なのかははっきりさせておく必要があります。行方知れずの者の仕業であれば、武道家でしたので遠距離から叩けば大丈夫でしょう」
高村が裏切ったとは考えにくいが確かにその可能性も否定は出来んか。あやつの本質は我と近い気がするからな。
「良し、賠償の返事は無視しろ。捕虜も放置で構わん。どうせ助けたところで片腕では戦えないだろ」
「では、戦を構えると?」
「ああ。元々そのつもりで侵略したのだから賠償金を払うだけ損だろう。」
「おっしゃる通りです」
宰相も賛同す?
「では戦の準備を進めよ!…騎士団長よ、高村を地下へ連れて行け。言いたいことはわかるな?」
「はっ!」
騎士団長が会議室から出て行く
「良かったのですか?確認する為とはいえ、高村から反感を買いますよ?」
「構わぬ。あやつはそれくらいで裏切りはしない。いや、裏切るというよりは王国から離れないと言った方がいいか。気づいているか?あやつ我の席を狙っておるぞ」
「それは大丈夫なのですか?」
「高村には活躍によっては時期国王に指名してやると言ってある。実際にしてやっても良いと思っておるから、あやつも素直に我の言うことに従ってくれておるわ」
「殿下はそれで納得されるのですか?」
「高村が欲しいのは国王という名ではないのだよ。この国のトップになりたいのだ。裏で操れるなら息子が王でもいいだろうさ」
「殿下が少し可哀想ですが…」
「あやつが高村よりも成果を出せばいい話だ。まあ我が息子の立場なら、形だけでも王にしてもらえれば、高村を利用するだけ利用して暗殺なりして処分するけどな。決めるのは我じゃない。息子だ」
「確かにそうですな」
やはり宰相とは気が合うな。
「高村はどちらを選ぶと思う?」
我はわかっているがな
「まあ、服従はしないでしょうね」
「我もそっちを選ぶと思うな」
「耐えられますかね?」
「高村はまだまだ利用しないといけないからな。殺しはしないから大丈夫だろう。そもそも耐えれるとかではないからな。心が持つかどうかだけだ」
「国王様も人が悪い」
「お主こそ止めようともしないくせして、言われたくないわ」
「そうですな。仮に高村が服従を選んだ場合はどうするおつもりですか?」
「その時には我が高村を操って他の異世界人をコントロールするだけだ」
「流石でございます。我々は騎士団長が戻ってくるのを気長に待つとしましょうか」
騎士団長が報告に戻って来たのは次の日になってからだった
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誤字報告とても助かっております
ありがとうございます
カクヨムにて連載中の
「イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・」
宜しければ読んでください
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