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黒龍のヴェンデッタ・ルード  作者: 陽下城三太
第零章 大戦の始まり
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古の大戦

 


 ・『『古戦記』』




 『古の大戦』。


 後世へと絶えることなく語り継がれた伝説の戦い。


 二つの勢力によって引き起こされたその大戦は全ての種族の軋轢を埋め、世界を団結させた。


 片や『黒』の力に呑まれ終焉を望む『邪剣王』の軍勢。


 片や世界の存亡を賭けて対峙する『黒龍』の軍勢。


 己の力を分けて造り出した『黒』の軍団と全種族を纏め上げた連合軍が衝突した。


 それぞれを束ね上げる二人の男の胸中には、人々が考えるような殊勝な思慮など無かった。


 最愛を失った男の殺戮と破滅の願望。


 最愛を失った男の復讐と救世の願望。


 独善的な想いを以て始められた戦いは様々な事象を巻き込み、その結果派生したのがこの大戦。


 そして永く続いたこの戦いは、『魔』を極めた天上の男___『魔法神』の介入によって終結を迎える。


 『魔法神』は命を代償に邪剣王を封印。


 『邪剣王』は黒の粒子を世界中に鏤め封眠。


 『黒龍』は戦いの(のち)に消息を途絶。


 伝説的存在になった彼らは大戦後にも禍根を残し、『黒』の力を未だに求めその身に宿す『黒魔導師』という存在が現れ、世界を混乱に陥れた。


 それを収めたのが数多の魔法を操る『賢者』と絶大な治癒の力を宿した『聖女』であった。


 『魔法神』の弟子と崇め奉られた彼らは世界平和のために尽力し、現在も生きる現人神(あらひとがみ)となり、次代の育成に力を注いでいる。


 そして大戦の終結から数世紀経て、世界は『黒魔導師』の跋扈を許さないとし、武力を以て滅ぼすことを誓った。


 それは新たに誕生する命にも、またその次の命にも、『黒』の恐ろしさと悪辣さを伝えることで一つの意思となった。


 こうして世界が『黒』の討滅に尽力しているにも関わらず、奴らは世界を蝕んでいく。


 町を滅ぼし、命を喰らい、私欲を貪っている。


 悲しみを失くす。


 苦しみを失くす。


 人々に笑顔を取り戻す。


 そのために世界は戦い、明日を希望を以て迎えていく。




 著∶『聖女』マリア・ミリス・サウルディア

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