邂逅
突然ですがウインナーは好きですか?
知人に小説作れと言われました。
罰ゲームみたいなものです。
前書きの内容は思い浮かびませんでした。
「女神様のご加護がありますように…」
何度言ったであろう言葉で今日も変わらず祈る。
誰であろうといつでも祈る。深夜に目の前のローブを被った怪しげな男にさえも。
その男はある理由でこの教会に訪れていた。
…正確には教会が目的ではなかったが、良くか悪くかその後の人生が変わることになる。
一つの頼まれ事によって……
男が教会を出ようとすると、呼び止められそこからは唐突だった。
「こんにちは。私は元勇者……のパーティーメンバー、トゥリアと申します。お察しの通り職業は僧侶です。あなたにどうしても頼みたい事があるのです。実はこの村には女神様でも解決できない問題が一つあるのです。それは………」
ー村のはずれー
「確かこの家でよかった…よな?」
はぁ、と、年季の入った一軒家の前で男はため息をついた。先程の問いに答える者は誰もいない、自問自答だった。
「なんでこんなことになったんだろ…」
はぁ、と、またため息をつく。今日でため息はどれだけしただろう、と思いつつドアを開ける。
…だがため息はしてノックはしない理由がその男にはあった。
今から数分前……
「…全滅(仮)になった伝説の勇者パーティー復活を手伝ってほしい……だってぇ?」
んなアホな。男はイマイチ内容が理解できなかった。
『この教会に連れてきてくださるだけでもいいのです…後はなんとか致します。』
『ダメ…でしょうか?』
トゥリアの上目遣い、顔、胸 、綺麗な声…そして胸、特に胸。
「女神……」
『えっ?』
「あ、いや、OKでぇ〜す。」
…結局、原因は9割自分だった。
(まったく、俺が紳士じゃなかったら断ってたぞい。)
口元を緩ませながら下心紳士はずかずかと奥へ進む。しかし問題発生。
「……迷路塔?」
無駄に入り組んでいて時々間取りが変わっていく、ずいぶん面倒な構造ときた。
あちこちに分岐する長い通路、壁には扉がズラリ。いたるところに罠、罠、罠。である。
(もう帰りたくなってきたぞぅ!こちとらただの人間だって〜のによぅ…)
はぁ、とため息。しかしこの男、“やる時はやる”奴だ。
「“元”がこれなら仕方ない…が、魔術とか妖術とかならばっ…!歪め!|天変地異≪コラプス≫!!」
……しばらくすると、今まであった通路や扉は音もなく全て消えた。…|文字通り全て。そして突然の……
『むぐっ?』「んっ?」
|伝説の勇者≪ようじょ≫(食事中)との邂逅であった。
『……』
(コイツが勇者…?ロリコン歓喜だなぁおい。)
身の丈以上のボサボサ髪、クマ柄のパジャマ、アニメや漫画にいがちな細いんだかつぶってるんだかわからない目…とても勇者に見えない格好はその男の概念をブチ壊した。
(…にしてもコイツのまわり以外全部なくなるとかハリボテじゃねーか。)
『……(もっきゅもっきゅ)』
(こっち見ながら黙々とメシを食うなし。肝の座りは勇者レベルかよ。)
『……(ゴクゴク)』
(え?これ俺待ちなの?こっちから話さないといけないやつなの?じゃあ黙っとくか。)
・
・
・
・
何の進展もないまま数分後……
『…ご馳走さま!うむ、なかなか良いモノであったぞ店主。』
(俺に言ってんの?つーかここ店だったのかよ!!あっ、看板あった気もする……)
『代金はここに置いて…うん?店主!明かりがきえておるぞ〜!』
(…とりあえず連れてくか。)
会話しようにも手に負えないと分かった男は、|勇者≪ようじょ≫ヒョイと抱えて走り出す。
…もう誘拐にしか見えない。
『おおっ?!どうした店主よ?もしや送ってくれるのか!それなら頼むぞ〜はっはっは。』
(あーこれやっぱ面倒なやつだわ…)
はぁ、とため息。いったいこの先どれだけのため息をして、どれだけの面倒があるのだろうと考えながら男は走る。
東の空にはもう日が昇り始めていた。
つづく
知人に、人気ないなら連載ぞ☆なんて言われました。
つづく」で終わってるのでご想像通り連載になります。
死ぬまでは面白いネタ出します。
あの頃に帰りたいですねぇ。