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詩集「くらしいの歌」

朝の珈琲

作者: くらきしい

珈琲の苦味に呟く

「私を起こして」と

砂糖やミルクに甘えても

この空白を埋めることはできない

満たされないことすら気づかなかったことに

失望と眩暈に襲われる


動きの鈍くなった心臓

かじかんだ手足の痛みを

「痛い」と言ってはいけないのだとか


眠りの中で見る夢は、残酷なほど幸福で

なら目覚めなければいいのにと

悪魔の囁きに身を委ねてしまいたくなって

ゴミの散乱した部屋

何気なく目に入った手帳に

覚えてしまった今月の予定が頭を過る


正しさなど無いとわかっていても

どっちが多数派の意見なのか

どちらがより支持されているのか

わかってしまうような

この目はいらない


誰かの悪口や差別を

理不尽な怒鳴り声も

聞こえてしまう耳はいらない


人を傷つけてしまう

要らぬことを喋ってしまう

不器用な声はいらない


全て捨てられないのなら

お願いだから

どうか

起こして欲しい


起こして、問うて欲しいだけなのだ

「どうしたいのだ?」と





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