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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第二章 魔法学校編

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第66話 帝国魔法学校へようこそ

いよいよ、異世界から転生した主人公のトール達が、帝国魔法学校へ特待生として入学します。

第二章のお話は学園物がメインですが、トールを狙う者達が次々と登場するので、バトルが多めです。

このバトルを通じて、トールは成長し、異世界最強の力を操れるようになります。


[第二章の主な登場人物]


トール・ヴォルフ・ローテンシュタイン…異世界最強の主人公。一乗(いちじょう)ハヤテが転生

シャルロッテ・アーデルスカッツ…………ハヤテの幼馴染み。二城(にじょう)カリンが転生

マリー=ルイーゼ・ゾンネンバオム………ハヤテの幼馴染み。参上(さんじょう)ナナセが転生

ヒルデガルト・リリエンタール……………ハヤテの幼馴染み。市場(しじょう)アオイが転生

イヴォンヌ・サン=ジュール………………ハヤテの幼馴染み。五條(ごじょう)アリスが転生

イゾルデ・ヴァルハルシュタット…………ハヤテの幼馴染み。禄畳(ろくじょう)ミチルが転生

黒猫マックス…………………………………魔力を持つ黒猫。ニャン太郎が転生

コルネリウス・グラートバッハ……………帝国魔法学校校長

マティス・シュネルバッハ…………………帝国魔法学校講師。歴史学

クルト・エンゲルバッハ……………………帝国魔法学校講師。魔法学

エルンスト・ハンスバッハ…………………帝国魔法学校講師。占星術

アントン・メンゲルバッハ…………………帝国魔法学校講師。科学

ティモ・フォイエルバッハ…………………帝国魔法学校講師。体育

ゲオルグ・クラウス…………………………帝国魔法学校非常勤講師。薬草学

クリス…………………………………………門番のおじさん

ウルスラ………………………………………学食のおばちゃん。獣人族

ウルリッヒ・ヘルルンシュライバー………トールのルームメイト

トマス・クーゲルシュタイン………………エルフ族の年少組二年

アーデルハイト・ゲルンシュタイン………魔物討伐隊処理班。年少組四年

アーデルハイト・ローテンシュタイン……トールの養母。ローテンシュタイン帝国第五皇女

フェニクス……………………………………火の精霊

アンジェリーナ………………………………天空の精霊

ゾフィー………………………………………大地の精霊


<以下は、12(ツヴェルフ)ファミリー(魔法使い一族12傑)の関係者>

フェリクス・ブリューゲル…………………ブリューゲル公爵家四男

アルフォンス・ミュラー……………………ミュラー公爵家次男

シュテファニー・ザルツギッター…………ザルツギッター侯爵家三女

ゲルトルート・シュトルツ…………………シュトルツ侯爵家次女

カタリーネ・シュヴァルツコップ…………シュヴァルツコップ伯爵家次女

グスタフ・ブリューゲル……………………ブリューゲル公爵家次男

カルル・ブリューゲル………………………ブリューゲル公爵家三男

ヘルムート・ミヒェル………………………ミヒェル伯爵家次男

エレオノーレ・アドラー……………………アドラー伯爵家四女

マルガレーテ・ケーラー……………………ケーラー侯爵家三女

ケート・フィッシャー………………………フィッシャー侯爵家次女


 実月(みのりづき)の初日が、ローテンシュタイン帝国魔法学校の新入生の入学式、および在校生の新学期開始の日だ。

 ローテンシュタイン帝国の12ヶ月は、1月、2月という数字の呼び名ではなく、雪月、氷月、芽月、苗月、花月、雨月、桃月、熱月、実月(みのりづき)、葡萄月、麦月、霜月という季節感のある名前になっている。

 つまり、実月(みのりづき)は9月のことである。


 帝国魔法学校は、十二歳から十五歳までが年少組、十六歳から十八歳までが年中組と分かれている。小学校六年+中高一貫校と考えていただいて良い。

 異世界転生したトール達は、出生の記録がなく年齢が曖昧だったが、見た目が十二歳というのもあり、年少組一年のクラスに特待生として入れられた。

 これには、メビウスやクラウスの尽力が大きい。

 実は、見た目というのはとってつけたような理由で、本当は一年に入って魔法を基礎からみっちり学ぶことが目的であったのだ。


 この日は、雲がやや多い天候ながらも、秋風が時折吹く穏やかな日和であった。


 帝国魔法学校の校舎は、日本の校舎の概念と全く異なる。

 ここでは、校舎と寄宿舎が1つになった城が学年ごとに用意されているのだ。

 つまり、生徒は、7学年あるので城が7つ。

 教職員は、職員室と宿舎を兼ねた専用の城が1つ。

 これら合計8つの城が、高い山の中腹に点在している。


 学生達は、山の麓からつづら折りの坂道を徒歩で上って、自分の学年用の城まで行く。

 年少組一年の城は一番下。

 以後、学年順に上の城となり、年中組三年が山の一番上の城になる。

 城から山の麓へ降りるには年少組一年が楽だが、それが楽だと思うのは勉学について行けず夜逃げするときくらいである。

 なお、教職員の城は、年少組四年の城の上、年中組一年の城の下。

 つまり、ほぼ真ん中に位置している。


 年少組と教職員の城は、ノイシュヴァンシュタイン城をイメージしていただければ良く、年中組の城は、ホーエンツォレルン城をイメージしていただければ良い。

 どちらも中世の城の雰囲気満点である。

 ただし、どちらも本物よりは規模が小さい。

 これは、各学年が最大で三十二名という少人数であるからだ。


 生徒は、夏休みと冬休みのみ実家に帰ることができるが、それ以外はずっと城の中で生活している。

 そのため、城内は必要な施設が充実していて、食堂も売店も図書館も談話室もある。

 ないのは、校庭だけだ。


 校庭は、坂道を登り切った先、山の頂上にある。

 そこには、年少組用と年中組用の校庭が1つずつ、特に柵で区切られることなく、並んでいる。

 さすがに山の頂上にあるので、生徒が下に落ちないよう、周囲には3メートルほどの高さの金網でできたフェンスが張り巡らされているが。

 1つの校庭は、1辺が100メートルを超える正方形。だいたい野球場くらいの広さだ。


 さて、坂道を上っている学生に目を向けてみよう。


 全員が無帽で、学生服姿だ。

 それは、黒くて長いローブ、ローブの内側は左胸に紋章のワッペンが縫われた黒いブレザー、そして黒ズボンまたは長めの黒スカート。

 紐付きの革靴まで黒く、まるで黒ずくめの魔法使いだ。

 一番若い年少組一年生は、背が伸びることを考慮し、新品の学生服は大きめサイズなので、みなダボダボ。

 ほとんどが、ローブを引きずって歩いている。


 坂道は歩道プラス二車線と幅が広いので、時折、車や馬車が通り過ぎていく。

 それらには、決まって王族もしくは貴族の子供が乗っている。

 トールと黒猫マックスとシャルロッテは車、マリー=ルイーゼとヒルデガルトは馬車だ。

 彼らは特に示し合わせたわけではないが、だいたい似たような時刻に年少組一年生の城の前へ到着。

 そこでお互いの再会を喜び合い、城を仰ぎ見て感動しながら、これからの学校生活に大きな期待を寄せていた。


 城には、高さ3メートル半、幅2メートルの古めかしい青銅の扉がある。

 仰々しいが、これが校門だ。

 坂を上り疲れた生徒達は、開かれた扉を抜け、門番が立っている前を通過し、城の奥へと入っていく。

 トール達も今、他の生徒達と一緒に吸い込まれていった。


 城の内部へ目を転じてみよう。

 一階は石膏像や絵画が飾られた、だだっ広いエントランスがあって、そこを抜けると食堂と売店。

 二階は図書館、談話室、小規模な講堂。

 三階と四階が教室で、各階に3つずつ、合計6つの教室がある。各教室の定員は三十二名。

 五階は男子生徒の部屋が8つ。二人相部屋なので、最大十六名が泊まれる。

 六階は女子生徒の部屋が8つ。二人相部屋は男子の場合と同じ。

 トイレは各階にある。


 各階を行き来するには階段を使う。

 それは、二人が並んで通れる幅の手すり付き階段で、左右の壁側に1つずつある。

 手すりは、悪戯小僧どもがまたがって滑る、恰好の遊戯と化しているが。

 五階、六階は天井が低いが、それ以外の階は、無駄に天井が高い。

 天井が高くて得をしているのは、書棚が多く必要な図書館くらいである。


 元の城主がよほど絵画が好きだったのか、至る所に、大小の絵画が飾られている。

 主に風景画だ。人物画もあるが、古い貴族と英雄が描かれているのはわかるものの、名前までは不明。

 そこにこっそり落書きしている悪戯小僧がいるようである。


 次に石膏像も多く飾られている。

 多くが胸像で、エントランスは立像である。これにも悪戯小僧が悪さをし、壊す輩がいる。トールも入学早々その犯人となる。


 床はいつもピカピカに磨かれている。

 これも含めて、城の各所の清掃は行き届いている。

 専門の清掃係を雇っているのか? 否である。

 城内の掃除当番は学生なのだ。

 授業が終わると毎日掃除をする。なお、評判が悪いのはトイレ掃除で、これは異世界に限らずどの世界も同じであろう。


 学生の部屋の数でお気づきと思うが、各学年は男十六名、女十六名の最大三十二名しか入れない。

 これでよいのだろうか?

 イエスである。なぜなら、全員が選びに選ばれた魔法のエリートだから。


 魔法を扱える者は帝国内に多数いるが、エリートとなると、ごく一握り。

 具体的には、千人に一人が基準となっている。

 ローテンシュタイン帝国魔法学校は、そのエリートのみが集まる学校なのだ。

 一般人が通う普通学校のような魔法学校は、帝国内部に5つほどある。

 それぞれが特徴的で、職業学校のようになっているが、ここではその紹介を割愛する。


 各階のレイアウト等は追々紹介するとして、城の中で「新入生諸君は二階の講堂に集まりなさい」との館内放送が入った。

 講堂でどうやら年少組一年生の入学式が始まるようだ。

 まだ自分の部屋に案内されていない生徒達は、荷物を持ちながら城の探検をしていたが、講堂に集まり始めた。


 トールが何やら廊下で、落とし物を捜すようにキョロキョロしている。

 一緒に車から降りて城の中に入ったはずの黒猫マックスが見当たらないらしい。

 彼は、シャルロッテに背中を押され、マリー=ルイーゼに手を引かれて、講堂の中へ入っていった。


 彼らについて行って、ちょっと講堂の中を覗いてみよう。


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