表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

332/369

第332話 壁を破壊する魔方陣

 ヴィヴィエンヌは、幅100メートルの壁のど真ん中へ向かい、壁から5メートルほど離れた位置で立ち止まった。

 そして、足を大きく広げ、サーベルを持った右手をサッと時計回りに1周させた。

 剣先が描いた軌跡が、空中に金色の輪を描く。

 すると、その輪が直径6メートルくらいの大きさに広がってから正三角形に変形し、その中が金色の幾何学模様で埋め尽くされた。

 続いて、正三角形の頂点に、直径1メートルの丸くて金色に輝く魔方陣が3つ現れた。

 正三角形と3つの円が組み合わされた魔方陣だ。


 その魔方陣が強烈に光り輝いたかと思うと、トールでさえ、強い魔力をビリビリと感じた。

 と突然、ピシピシピシピシと、亀裂が入るような音が壁から聞こえてきた。

 同時に、彼女を中心として左右に10メートル、幅にして20メートル分の壁に無数の亀裂が入る。

 壁が魔力に耐えられなくなったらしい。

 次に、彼女は左手で魔方陣を強く前へ押す仕草をした。

 グンと押し出された魔方陣が壁に激突すると、壁は巨大なハンマーで叩かれたかのように、衝撃音を上げた。

 ひび割れた壁が粉々になって、魔方陣と一緒に奥へ吹き飛ぶ。

 ガラガラと壁が崩れる音。もうもうと立ちこめる粉塵。


 とその時、彼女はバク宙を5回繰り返して壁から遠ざかった。

 左手が義手、右足が義足とは思えないほどの身のこなし。

 彼女がいきなり後ろに逃げた理由がわかった。

 粉塵の中から2メートルを優に超える背丈の巨人が四人、飛び出してきた。

 彼らは、全員が一つ目の剣士。

 レーザーアーマーを着用し、金属製の丸い盾と、シミターを持っている。

 盾には、口を大きく開いた獅子の立体的な顔がはめ込まれている。

 シミターは、優雅な曲線を描きつつ、冷たい輝きを放つ。

 巨人の剣士達は、その巨体とは似ても似つかぬ俊敏さで、あっという間にヴィヴィエンヌを四方から取り囲んだ。


「ヴィヴィエンヌが奴らを引きつけている間に、突入せよ!」

 フックスシュタインの号令に、騎兵が一斉に馬を走らせる。

 彼らは、彼女を取り囲む巨人達の輪を遠巻きにして、次々と壁の残骸を飛び越えていった。

「トール、何している! 遅れるな!」

「……ヴィヴィエンヌ! 任せた!」

 フックスシュタインに急かされたトールは、後ろ髪を引かれる思いで騎兵達の後を追った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=229234444&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ