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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

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第288話 エクスカリバー

 ヒルデガルトが前に歩み出て、話を続ける。

「百年前、グリューネヴァルトの中をまっすぐ通る国境の目印として、剣を打ち込むことになった。

 そこに現れたのが、神に遣わされた子、ハルフェ・ドライシュタイン。その子は、異世界からの転生者で、十七歳の少女。

 彼女の左腕から出てきた剣が、彼女によって石版に突き刺された。

 剣の名前は、硬い(ハルトゥ)切っ先(シャルテ)

 エクスカリバーの伝説に出てくる剣の一つに似ている。

 もう一つの湖の乙女から与えられる剣の伝説がないから、これがエクスカリバーみたいに扱われている。こちらの世界でも、その名前で通じる。

 この剣の魔力で、エルフ達は国境に近づくことができなくなった。

 今まで誰も引き抜けなかったので、引く抜くとどうなるかの説が二つできた。

 一つは国境の結界が消える――」

 答えを待ちきれないトールは、彼女の言葉を遮る。

「もう一つは?」

「体内に入って、新たな持ち主となる」


 トールは、男の方へ向き直る。

「これがハルトゥなんとか、うーん、言いにくいから、エクスカリバー。これがエクスカリバーだって知っていて、僕に引き抜かせたんだな?」

「ああ」

 男は、観念したように力なく声を出した。


「結界が消えるという伝承は、嘘だった――」

「みたいだな。……畜生!」


「ところで、君は四天王の一人、キルヒアイスだろう?」

「……隠しても仕方ないか。いかにも、俺はキルヒアイスだ」


「そして、そこにいるのは、部下のツェツィーリア。さあ、こちらは六人。さらに、ごまんと増援が来るよ。多勢に無勢。二人とも、無駄な抵抗を止め、投降するんだな」

 トールが、左右を交互に見て、投降を促した。

 彼が言い終わると、キルヒアイスとツェツィーリアが、ほぼ同時に立ち上がった。

「ええい! こうなったら仕方ない! おい! ツェツィーリア! そいつを始末しろ! 俺は、女どもをまとめて始末する!」

 ツェツィーリアは剣を握り直し、瞬時にトールへ飛びかかった。


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