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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

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第279話 槍封じ

 トールは、万事を休したと思い、筋肉が硬直した。

 動けなくなった獲物を前に、ゲルダは嬉々として2本の剣を大きく振りかぶる。

 とその時、彼の後方で、魔法名を叫ぶ声が響いた。

梱包(フェアパックング)!!」

 この声は、ヒルデガルト。

 同時に、彼は茶色い毛布のような物で長剣ごとくるまれ、後ろへ投げ飛ばされた。

 ヒルデガルトの、クラウスから合格点をもらった新魔法だ。

 ゲルダの2本の剣が、毛布をかすめ、獲物がいたはずの地面を突き刺した。


「野郎! 邪魔すんじゃねえ!」

 彼女はもの凄い形相でヒルデガルトを睨み付け、剣を引き抜き、前傾姿勢で突進を開始。

隔壁(ヴァントゥ)!!」

 ヒルデガルトがまた新たな魔法名を叫ぶ。

 今度は、ゲルダの目の前に4メートル四方の正方形で、厚みが30センチメートルの灰色の壁が出現した。

 これもクラウス直伝の魔法だ。

 瞬時に出現した硬い壁に、突進者は顔面から激突する。

 目から派手に火花が出た彼女は、大きく後ろへよろめいた。

 そこへ、マリー=ルイーゼが、真っ赤に燃える剣を持って加勢に入る。

 ふらつくゲルダは、マリー=ルイーゼの執拗な攻撃に、防戦に徹した。


 それを見たヒルデガルトは、直ぐさまトールの治療を開始。

 両手を二箇所の傷口へ同時にかざすと、手のひらの先に柔らかな緑色の光が現れて、みるみるうちに傷口が塞がっていく。

 彼は、痛みが少々残っていたが、すぐに起き上がった。

「ありがとう。もう大丈夫」

「まだだめ」

「いいや、マリーが危ない」


 彼は、右手で長剣を握りしめると、急いで強化魔法と防御魔法を発動する。

 今度こそ、準備万端。

 全身を光で纏った彼は、ゲルダに向かって再度突進した。


 狙いは、あの2本の槍。

 剣も斧も、残り8本は見せかけの武器。

 槍のみが勝敗を決する武器なのだ。

 だから、それを封じる。

 封じてみせる。


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