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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

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252/369

第252話 罠に飛び込む

 クラウス先生による魔法講座は、深夜にまで及んだが、生徒の魔法の習得は芳しくなかった。

 結局、あれから変わらずという状態。つまり、先生の合格が追加で出た者はいなかった。

 さすがに教える方も疲れたので、クラウスは訓練を中断した。


 とその時、自分の部屋に戻っていたメビウスが、手紙を持ってクラウス達の所へやってきた。

 自分が放ったフクロウではない別の白いフクロウが、研究所へ手紙を持って飛んできたというのである。

 それは、トール宛ての親展。

 アーデルハイト・ゲルンシュタインの手紙なら、運ぶのは(タオベ)ちゃんのはず。

 不審に思って手紙を開いたトールは、魔法省の下級役人からのものとわかって、さらに首をひねった。


『朝8時に、ヒュッテンの役所に一人で来て欲しい。他言無用』


 ヒュッテンは、研究所から車で1時間の距離の町。

 魔法省は帝国首都であるローテンハイムにあるのに、わざわざ小都市のヒュッテンの役所へ呼び出すのはなぜか?

 まずます怪しく思ったトールは、他言無用を無視して、クラウスに相談した。


「どう考えても、この呼び出しは変だよ。とうとう、ここにいることがバレたね、連中に」

 クラウスは真剣な顔つきで、顎に手を当てた。

 そこへ、腕組みしたメビウスが言葉を継ぐ。

「この研究所はわしが編み出した高度な魔法で防御しているから、さすがの連中でも手も足も出せぬはず。だから、おびき出すことにしたのだろう。誘いに乗らん方がよいと思うがな」

 しかし、トールはあえて誘いに乗ることを提案する。

「ここでジッとしていても、先には進みません。僕らを動けなくすることが連中の狙いなら、まんまと術中に()まったことになります。敵の実力も知りたいし、罠ごと吹き飛ばしてやりますよ。習った防御結界の実力も試すチャンスです」

「それは無茶だ」

 メビウスが首を横に振る。


「でも、チャンスがあるなら、挑戦しないと。やるなら今です。やらずして後悔したくはありません」

「君のその自信たっぷりの話を聞いていると、無謀とは思えなくて、本当に相手をやっつけてしまう気がするから不思議だよ。じゃあ、僕が車を出そう。朝7時出発だ。いざとなったら、僕が援護するから」

 クラウスは、親指を立ててウインクした。

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