表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

248/369

第248話 動画付きの手配書

 トールは、他に開いていた穴から、電光の直撃を食らった紅髪の女が大きな銃ごと後ろに倒れるのが見えた。

 まさか、幌を突き破って魔法が繰り出されるとは思ってもみなかったのだろう。

 男が空中から大剣を取り出し、銀髪の女が空中から洋弓を取り出した。


 トールは、再び短時間で雷撃魔法を繰り出す。

 しかし、威力が弱かったことと、狙いが定まっていなかったので、電光は男の体を直撃せず、大剣を飛ばしただけで終わった。

 その横で、銀髪の女が洋弓の(つる)に矢をつがえる。

 矢は紫の炎のようなものを纏っている。

 トールは、その女にも雷撃魔法を繰り出す。

 しかし、あまりに短時間ゆえ、こちらも洋弓と矢を吹き飛ばしただけで終わった。


 彼らは、トールが二人の武器をピンポイントで攻撃したことに警戒し、倒れた紅髪の女と銃を引きずりながら後退した。

 そして、四人とも煙のように消え去った。


 辛うじて敵を撃退させることができたが、トールは全然納得がいかなかった。

 短時間で繰り出す雷撃魔法の威力がしょぼく、特に二発目、三発目が、あまりに情けなくて悔しかった。

 大砲の砲身から拳銃の玉が出てくるような感覚。

 ピンポイントの攻撃は、本当に偶然の産物だった。

 狙いは敵の体だったが、大いにずれてしまい、たまたま武器に当たっただけなのだ。


 首を伸ばして穴を覗いているマリー=ルイーゼ達に、トールは頭をかきながら詫びを入れる。

「ゴメン。奴らを逃がしちゃった」

 すると、外を覗いていたヒルデガルトが「何か白いものが落ちている」と言って、荷台から外へ出て行った。


 戻ってきた彼女は、拾った白いものをみんなに見せた。

 手紙にも見える。

 八つ折りになっていて、広げると大きさはA3くらい。

 その紙には、彼らが知らない言語の文字が、一番上に3行書かれていた。

 そして、中央にトール達六人の写真が2行、3列に並んでいて、各写真の下にも知らない文字が書かれている。


 それを見ていた彼らは、同時にドキッとした。

 写真は静止画と思いきや、動画になっていて、時々横を向いたり、にっこり微笑んでいたりするのだ。

 いつの間にこんな動画を撮影されたのだろう、と彼らは不思議がる。


 しばらくして、逃げていた御者が戻ってきた。

 鞭を入れると馬が動くので、連中の術が解けたのだろう。

 こうして旅は再開されたが、トール達は幌に開いた穴から時々外を覗きながら、警戒を怠らなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=229234444&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ