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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

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第247話 四人組の不意打ち

 と突然、幌の外でマシンガンを掃射するような音が響き渡った。

 その掃射音の凄さと言ったら、恐ろしいほどだ。

 1秒間に何発発射されているか見当も付かない。

 弾丸の列が風を切る音。無数の穴が開く幌。飛び散る布の切れ端。


 切れ端が飛んでくる方向から、トールが座っていた側、馬車の右側から銃を撃っているようだ。

 驚いて逃げるはずの馬が全く動かないところを見ると、何らかの力で馬を釘付けにして銃を掃射しているようだ。


 掃射は10秒ほどで停止した。

 幌に無数の穴が開いたため、熱い日差しが床にまで差し込んでいる。

 トールは、外から顔が見えないように注意しながら、ソッと穴を覗く。

 すると、20メートルほど向こうに、見たこともない民族衣装を着た四人が、ゆっくり近づいてくるのが見えた。


 金髪の男が一人、銀髪、紅髪、黒髪の女が各一人。

 そのうち一人の紅髪の女が、これまた異世界では見たこともない大きな銃を両手でダランと下げている。

 相当重そうだ。

 それは、複数の銃身を持つ回転式機関銃、いわゆるガトリングガンなのだが、トールはその名称を思い出せないでいた。


 名前がどうであれ、激ヤバい銃であることは、彼も認識した。

 そして、『さあ、どうしよう?』と考える。


 今更だが、トール達は全員、大技の魔法を繰り出すため、構えなどで攻撃までに時間が掛かる。

 溜めが入るのと同じだ。

 その間に、あの銃の引き金を引かれたらおしまいだ。

 そこでトールは、威力が弱まってもいいので、即席で雷撃魔法を使って、あの銃火器を操る女を倒すことにした。

 ガルネの魔界の扉で戦った際に、咄嗟に使った方法だ。

 他の三人は、後でも、おそらくなんとかなるという目論見で。


 彼は、座席に横になりながら、両手へ急速に魔力を蓄積する。

 その間、先ほど見た連中の歩幅と速度から推測し、最初の距離から半分程度接近する頃合いを見計らって、上体を起こした。

 その途中、視界に入る穴の向こうに、ターゲットとなる紅髪の女が見えた。

 すると、女の方も、動く人影に気づいたらしく、ヨイショと大きな銃を持ち上げた。


(ドンナー)(ゴット)!」


 彼は手の先にある幌にかまわず、女のいるであろう方向へ目見当で両腕を伸ばし、魔法名を叫んだ。

 すると、彼の銀白色の魔方陣から、ジグザグに折れて枝分かれした電光が幌を突き破った。


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