表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第四章 魔界騒乱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

244/369

第244話 エルフ族の暗躍

第四章の物語の舞台となっているローテンシュタイン帝国の言葉、地名、人名、固有名詞は、ドイツ語がベースとなっています。また、スカルバンティーア大公国の言葉は、ハンガリー語がベースです。

でも、実在する地名、人名、固有名詞には全く関係ありませんし、定冠詞を省略したり、単語をつなげたり、発音も方言っぽくなっています。ですので、あくまで異世界の言葉として捉えていただけると助かります。


では、ごゆっくりお楽しみください。


[第四章の主な登場人物]


トール・ヴォルフ・ローテンシュタイン…異世界最強の主人公。一乗(いちじょう)ハヤテが転生

シャルロッテ・アーデルスカッツ…………ハヤテの幼馴染み。二城(にじょう)カリンが転生

マリー=ルイーゼ・ゾンネンバオム………ハヤテの幼馴染み。参上(さんじょう)ナナセが転生

ヒルデガルト・リリエンタール……………ハヤテの幼馴染み。市場(しじょう)アオイが転生

イヴォンヌ・サン=ジュール・ピカール…ハヤテの幼馴染み。五條(ごじょう)アリスが転生

イゾルデ・ヴァルハルシュタット…………ハヤテの幼馴染み。禄畳(ろくじょう)ミチルが転生

黒猫マックス…………………………………魔力を持つ黒猫。ニャン太郎が転生

ハルフェ・ドライシュタイン………………百年前の、異世界からの転生者


ヴィルヘルミナ・グッゲンハイム…………第7魔法分隊隊長。年長組三年

アーデルハイト・ゲルンシュタイン………第7魔法分隊副隊長。年長組一年

エーリッヒ・ローテンシュタイン…………ローテンシュタイン帝国皇帝

テオドール・ロイトキルヒ…………………ローテンシュタイン帝国魔法相

ネリー・アンドレーエ………………………ローテンシュタイン帝国情報相

ロム・リュッベンドルフ……………………アンドレーエ直属の双子の密偵。青緑髪の姉

ラム・リュッベンドルフ……………………アンドレーエ直属の双子の密偵。赤紫髪の妹


ハンス・メビウス……………………………魔法科学研究所所長

ゲオルグ・クラウス…………………………メビウスの助手。帝国魔法学校非常勤講師

ゾフィー………………………………………大地の精霊

アンジェリーナ………………………………天空の精霊

フェニクス……………………………………火の精霊

アクアリウス…………………………………水の精霊

グラキエス……………………………………氷の精霊

ブラオエンヴァルト…………………………草木の精霊


ヴァルトトイフェル…………………………魔王

グライフスシュタイン………………………魔王の幹部の一人。鷲の頭を持つ獅子

シュラーゲンシュタイン……………………魔王の幹部の一人。九つの頭を持つ大蛇

フックスシュタイン…………………………魔王の幹部の一人。九尾の狐


ヴィヴィエンヌ………………………………魔界の絶世の美女

ヴィヴィアーヌ・フーコー…………………野獣の魔王の元親衛隊隊長。ヴィヴィエンヌの本名


オスカル………………………………………水晶の魔王の側近

ティルダ………………………………………水晶の魔王の親衛隊隊長


<エルフ族>

ジクムント……………………………………四天王の一人

フリードマン…………………………………ジクムントの右腕。心を読む

ガイガー………………………………………四天王の一人

マティアス……………………………………ガイガーの右腕。幻視幻聴を操る

ヴァルトシュタイン…………………………四天王の一人

ゲルダ…………………………………………ヴァルトシュタインの右腕。十本の腕を持つ

キルヒアイス…………………………………四天王の一人

ツェツィーリア………………………………キルヒアイスの右腕。韋駄天の足を持つ


<スカルバンティーア大公国の賞金稼ぎ>

サボー・フリジェシュ………………………魔剣の遣い手

エステルハージ・モニカ……………………洋弓の遣い手

コルダ・エンマ………………………………火器の使い手

コチシュ・イレーン…………………………魔術師。錬金術師

 グリューネヴァルト。

 それは、茫漠たる平原の遠くで湧き上がる深緑の雲にも見える森。

 中を歩くと、木々の葉が幾重にも重なるため、地面にはわずかな光しか届かないことに驚く。

 その暗さゆえ、別名シュヴァルツヴァルト。

 魑魅魍魎が跋扈するとも恐れられるこの黒い森に、エルフ族が隠れるように住んでいる。


 彼らの暮らしは、決して楽ではない。

 だが、彼らは、未だに近代化の波を拒み続け、古い道具を使いこなし、古いしきたりを頑なに守る。

 なぜなら、隣接する二つの宗主国のように貧富の差が広がるよりはましだ、と考えているからだ。

 その閉鎖的社会ゆえ、古来伝わる独自の魔法や、呪詛の遣い手が数多く残っている。


 彼らが森の外へ出る機会は、あまりない。

 せいぜい、魔法の道具を買いに行くくらいだ。

 凶作が続けば、やむなく生活必需品も買いに行く。

 それ以外は、外界との接触を嫌うかのごとく、森にこもったまま。


 以上は、ここ百年間の話。

 実は、百年以上前は今と真逆で、周辺諸国と活発な交流があり、活気にも満ちていた。


 それが途絶してしまった原因は、たまたま国境に森が隣接していたというだけで、何の罪もない彼らを巻き込んで始まったローテンシュタイン王国(当時)とスカルバンティーア大公国との領土争い。

 東西へ領土を拡大する両国が、この森を丸ごと取り込もうとしたが、すでに双方と交流があるエルフ族は、どちらか一方に帰属することを拒否。

 すると両国は、自国と友好的なエルフ族の部族を自陣へ引き込み、最前線で戦わせた。

 それは、エルフ族が魔法や呪詛が得意だったからである。


 勝利の暁には莫大な褒美を与える、とそそのかされた彼らは、同族を刃に掛ける。

 しかし、戦況は膠着し、両国民もエルフ族も疲弊して和睦。

 その結果、国境は、地図上の森の真ん中に定規によって引かれ、その無情な一本の線分が土地と民を東西に分断した。

 さらに、国境の印として、強力な遺物が打ち込まれた。それが何かは、後でわかる。

 人的被害が大きかったエルフ族は、森が焼け、親族が引き裂かれ、接近を拒絶する遺物を見て、自分達の愚かさに気づいた。


 百年後の彼らは、大国からの分離独立を夢見て、密かに動き出す。

 悲願達成のためなら、手段を問わない。

 神に遣われし子、つまり、異世界転生者を手に入れようとする。

 魔界の者達さえも利用する。


『積年の恨みを晴らす』


 それが彼らの合い言葉だった。


   ◆◆◆


 トール達がフランク帝国で魔王討伐完了の祝賀会が終わった頃、グリューネヴァルトでは、松明を持ったエルフ族の六人が急ぎ足で森の外を目指していた。

 しかし、背後から接近した黒ずくめの者達数人に、あっという間に襲われてしまう。

 剣の摩擦音。短い悲鳴。閃光。

 それらは一瞬の出来事のように消えていく。

 そして、彼らが落とした松明が踏み消されるまで、1分も掛からなかった。


 再び訪れた漆黒の闇。

 森の中は、月明かりの一筋すら届かない。

 低木の葉のこすれる音、苔の臭い、足音のみの世界なのだ。

 その中を、全身黒ずくめの者が、まるで夜行動物のように、道なき道を迷うことなく走る。


 黒ずくめの一人が、広めの空き地に姿を現した。

 月明かりが高木に隠れていて、ここでも暗い。

 星の明かりだけでも目的の物が見えるかのように、そいつは短く詠唱し、右手を差し出した。

 すると、その手の先の空間がユラリと水紋のように揺れる。

 そいつは、揺れる空間へ足を踏み入れて、忽然と消えた。


 続いて、別の黒ずくめの一人もやってきて、同様の方法で姿を消した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=229234444&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ