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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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240/369

第240話 完全勝利の一方で

 黒猫マックスが、トールの足下に近づいてきた。

 トールはその気配を感じ、視線を向ける。

 しばし見つめ合っていた彼らは、同時に視線を切ってため息をついた。


「小僧。やっちまったな」

「そう言うと思ったよ」


「奴の宮殿を破壊するのはいいが――」

「町の無傷の建物まで破壊してしまった、って言いたいんだよね?」


「なんだ、わかっているのか」

「どうしよう。なんて、謝ろう……」


「そりゃひたすら謝るしか――」

「ないよねぇ」


「「はああああ……」」

 二人は同時にため息をついた。


 その時、トールは肩を叩かれて震え上がった。

 振り返ると、ジャクリーヌだった。

 彼女は、首を左右に振る。

「恐ろしい力だな」

「あ、それは多分、口紅の――」

 トールは、根拠があるようでないような言い訳に走った。


「いや。これが実力だ。おそらく、世界最高の魔法だ。自分の力を知っておくべきだな」

「確かに知っておくべきでした。すみません、無傷の建物まで壊してしまって」


「いいとは言えないが、この状況ではやむを得ないだろう」

「ありがとうございます」

 トールは、目が潤んだ。

 すると、遠くから拍手が聞こえてきた。

 見ると、仲間全員が拍手をしながら、笑顔で近づいてくる。


 トールは、その優しさに感動し、頬を伝う涙を拭くことも忘れた。


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