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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第237話 打って一丸となる

 扉が外れた玄関に立つトールは、ガルネの惨状を目の当たりにした。

 鼻を突く、焼け焦げる臭い。

 黒焦げになった建物の窓から、勢いよく噴き出す炎。

 炭の柱しか見えない木造家屋。


 目を下に転じると、宮殿の玄関から下り階段があり、その途中には扉と一緒に魔王(サタン)が転がっている。

 周囲は瓦礫の山。

 一帯にどういう建物があったかのは、原形をとどめていないのでわからない。

 この中に、ジャクリーヌ・ピカールの魔法組合(ギルド)の建物が、自分達の宿屋が、荷物があるのだ。

 トールは、駆けつけたジャクリーヌ達と一緒に、怒りを露わにした。


 突然、歓声が上がった。

 瓦礫の近くで、大勢の仲間が手を振っている。

 指笛も聞こえる。

 トール達を称えているのだ。


 だが、まだ終わっていない。

 野獣は、しばらく黒雲を仰ぎ見ていたが、怒りに震えながらムクムクと起き上がった。

 大勢の仲間が、光る矢と火の玉で攻撃を再開した。

 その魔法が使えない仲間は、微力ながらも、得意とする雷撃魔法など多彩な魔法で加勢する。


 全員が、持てる力で、一丸となって戦った。


 しかし、野獣の魔力はストックがまだまだあるらしく、右手の突風攻撃を使って、反撃する相手を次々と吹き飛ばした。

 左手の回復がまだなので、あの超強力な電流を使われないだけ、まだましだ。


 宮殿の中から、シャルロッテは彗星の魔法を、マリー=ルイーゼは劫火の魔法を、ヒルデガルトは放水砲の魔法を使うが、奴は倒れない。

 イヴォンヌは、今まで最高の本数のつららを相手に突き刺すが、矢と同じく、筋肉の力で弾き飛ばされる。

 ジャクリーヌの稲妻も、蜂に刺された程度にしか感じていないようだ。

 老人達も弓で加勢するが、そよ風が吹いているという顔。


 確実に弱っているはずだが、HPがなかなかゼロに減らないラスボスと同じ。

 ゼロになるまで、野獣は平然と攻撃してくるらしい。


 このままでは、被害が拡大する。


 ここで、トールはある作戦を思いついた。

「マスター! 僕が(おとり)になりますから、右腕を剣で攻撃し、あの魔法を封じてください! そしたら、イゾルデ、あいつの全身を縛り上げて! 終わったら、全員に200メートル以上離れるように言って! 例の、どでかい魔法を使うから!」

 彼はそう言うと、オーデコロンを体に振りかけた。

 オーデコロンは、1分間、防御力を高める魔法のアイテムだ。

 彼は玄関から地面へ飛び降りて、暴れる野獣の正面に立った。


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