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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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231/369

第231話 開かれる宮殿の巨大な扉

 部屋全体の激しい揺れが収まると、魔王(サタン)が右足を降ろして、さらに嗤う。

「これで、お前の建物は瓦礫になったな。寝るところがなければ、ここの地下牢を貸してやっても良いぞ」

 そう言い残すと、おもむろに立ち上がった。

 それだけの動きで、周囲に風が巻き起こる。

 天井にぶら下がるシャンデリアの下で、角がこすれた。

 ということは、背丈は22~23メートルはあるだろう。


「この宮殿は、東西が300メートル、南北は200メートル、高さは30メートル以上ある。どうだ、凄いだろう? いずれ、ここを核として増築し、大きな城にするつもりだ。そして、ガルネを城下町として作り替える。そろそろ町も制圧された頃だから、外の様子を見に行くとするか」

 魔王(サタン)は、地響きを立てながら、左方向へゆっくりと歩み始めた。

 すると、左側の壁がひとりでに開き、その向こうにエントランスらしい空間が見えた。

 その先に魔王(サタン)が通れる高さの巨大な扉がある。

 宮殿の玄関なのだろう。

 地下にあった魔界の扉など比べ物にならないほど大きい。

 そこを開けて外を見るらしい。

 ジャクリーヌ達は、彼の後ろを付いていく。まるで、おもちゃの子ネズミのように。


 扉の両脇にあるステンドグラスのような小窓から、光が漏れていた。

 それが一筋の線となり、床を走る。

 彼はそれを見て、眩しそうに目を細め、両手を広げた。


「外は明るすぎるようだ。深い闇よ(テネブル)


 すると、漏れていた光がたちまちのうちに消え、外から雷鳴が聞こえてきた。

 黒雲垂れ込める様子が、その場にいた全員の目に浮かんだ。


「これでよし。扉よ(ポルト)開け(ウーヴルトワ)


 すると、巨大な扉が真ん中から割れて、ギギギギギギギギギギーッと重量感のある音を立てながら、ゆっくりと内側に向かって開いた。

 少しずつ見えてきた空は、昼過ぎというのに夕方のような暗さ。

 時折、閃光が走り、遅れて雷鳴が轟く。

 その下で、燃える建物の炎がちらつく。

 魔王(サタン)は、地響きを立てて前進し、外へ一歩足を踏み出した。


「見よ。お前の建物も、その周りの建物も、跡形もなく崩れ去った」


 奴はそう言うが、宮殿が地面より高く盛り上がっているせいか、瓦礫の山が見えない。

 ジャクリーヌ達の目線からは、被害に遭っていない建物の上半分しか映らないのだ。


「もっと燃えろ。炎よ、町を焼き尽くせ。ガルネは、このわしが再建するのだ。ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」


 とその時、遠くから、ウワアアアアアーッと喚声とも喊声ともつかぬ声が聞こえてきた。


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