表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/369

第225話 決死の肉弾戦

 1分後、トールのアンクレットの効果は消えた。

 加速が止まった彼は、ボクシングの構えで次のチャンスを窺った。


 顔が腫れて唇が切れたフランソアが、髪を振り乱し、大きくため息をつく。

「フー……。これは凄い。ジャクリーヌより強い勇者(エロー)を初めて見た。1分間も手出しができないなんて、生まれて初めてだな。……だが、反撃はこれからだ」

 彼がそう宣言すると、急にトールの視界から姿を消した。


 トールは、消えるイコール背後に回った、と直感が働いた。

 そして、素速く後ろを振り返り、足を一歩後ろに引く。


 案の定、背後にはフランソアがいて、右手を大きく振りかぶっている。

 トールは、素速く腰を落として、相手の懐に飛び込み、みぞおちに重い一発をお見舞いした。

 肉同士がぶつかる鈍い音を立てて、拳がフランソアに食い込む。

 くの字に折れるフランソアだが、足を踏ん張り、倒れない。


 それが第2ラウンドのゴングとなり、トールの第2のラッシュが始まった。

 マシンガンの掃射のようなパンチの連続。


 攻撃に耐えることは、防御ではない。

 死を待つのみだ。

 攻撃こそ最大の防御とは、相手から反撃の機会を奪うこと。

 隙を0.1秒も与えてはいけない。


 フランソアの繰り出すストレートやジャブは、ことごとくトールに交わされる。

 なぜなら、拳を繰り出しても、すでにそこには彼の残像しかないからだ。

 交わされて、つんのめるフランソアの体に、トールが繰り出す1秒間に10連発の拳が炸裂する。

 白い制服は、拳の乱打を浴びてしわくちゃになり、ついには穴が開き、金ボタンのいくつかは飛んでいった。


 しかし、フランソアは倒れない。

 だからといって、大きく振りかぶっては、反撃のチャンスを与えることになる。

 なので、ひたすら連打を繰り返す。


 正に体力勝負。


 トールの体力の消耗が激しくなったが、フランソアはそれを遙かに超えていた。

 ただ、体力がトールを上回るので、耐えられたのだ。

 撃たれっぱなしのフランソアは、動きが緩慢になってきた。

 作戦か?

 大技を繰り出す隙を窺っているのか?


 ここでトールは、あえて、伸るか反るかの勝負に挑んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=229234444&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ