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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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223/369

第223話 謁見の間

 ヒルデガルトから鍵を受け取ったジャクリーヌは、それを扉の鍵穴に差し込んだ。

 そして、ゆっくりと鍵を時計回りに回す。

 扉が、カチャッと音を立てた。


 ドアノブに手を掛けて、同じく時計回りに回す。

 何の抵抗もなく、ゆっくりと回る。


 一瞬、彼女の頭の中に四年前の出来事がよぎった。

 そう。四年前も、こうやって貧相な扉の鍵を開けた。

 そして、扉をくぐったら、魔王(サタン)の豪華絢爛な客間だった。


 今回もそうだろうか?

 彼女は、思い切って扉を押した。

 すると、目映い光が飛び出してきた。


 扉の向こうは、巨大な黄金の部屋だった。

 高さは25メートル以上、幅と奥行きは50メートル以上。

 クロエ・ドゥ・ラプラスが幻影魔法で見せた黄金の部屋よりも、格段に大きい。

 あれは、これを模したのだろう。


 窓はなく、8つもある豪華なシャンデリアが室内を煌々と照らしている。

 おそらく、2メートル以上の大きさはあると思われるシャンデリアも、あの高さに吊されると、おもちゃの飾りに見える。

 周囲の壁は鏡のように磨かれた黄金でできていて、壁の周囲に配置された調度品も彫刻も、全て黄金だ。

 さらに、床までも黄金。


 これが謁見の間。


 スケールの大きさに度肝を抜かれる一行は、さらに異様なものを見つける。

 正面に見える黄金の玉座。

 これが、天井まで半分の高さなのだ。

 つまり、13メートルくらいある。


 あそこに座るのが魔王(サタン)なら、その背丈がいかに巨大かが想像できる。

 立ち上がったら、天井に頭が届くかもしれない。

 トールは、修学旅行で見た奈良の大仏を思い出し、大仏級の巨大な魔王(サタン)を想像した。

 マリー=ルイーゼとシャルロッテは、自分達がガリバー旅行記のこびとになったことを想像した。


 ジャクリーヌ、アンリ、マルセル、オデットは、魔王(サタン)の気配を感じて、ぞわっと身震いした。

 ジャック、ルイーズ、ブリジットは、その気配に、わなわなと震えている。

 彼ら七人が四年前に感じたあの気配が、今この部屋にある。

 しかし、姿は見えない。

 正に、黒猫マックスの予知通りだったのだ。


 一同が黄金と巨大な部屋に目を奪われながら、ゆっくりと部屋の奥へと歩み始めると、遠くから「やあ。こちらに来たまえ」と声がした。

 彼らは、ギョッとして視線を声の方へ向ける。

 そこには、誰もがすっかり眼中になかったのであるが、玉座の前に黄金の小さなテーブルが。

 玉座の大きさと比べてしまうと、食玩のおまけ以下の大きさだ。


 そこに座っている白い服の男が手を上げている。

 40メートル以上先なので顔はよくわからないが、声からフランソアであることは明らかだ。

 白猫ブルバキと白フクロウのガロアがいるはずだが、小さすぎて見えない。


 ジャクリーヌは、「貴様こそ、こちらに来い!」と大声で返事をした。

 その言葉が、部屋中にこだまする。

 こだまが消える頃、フランソアは、ゆっくり立ち上がって歩み寄ってきた。


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