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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第215話 扉の手品

 ジャン=ジャックは、ルテティアとヴェルサイユの魔法組合(ギルド)から応援に来ていたメンバーの中から、四十人を選抜した。

 彼らは、回復用に水薬(ポション)が配給され、さっそく町へ向かった。


 応援組の残りを数えたら、九人だった。

 見ると、すべてが老人だ。

 このメンバーで、本丸を攻める討伐隊のしんがりを守るには心許ないが、今はやむを得ない。


 彼らの移動中に、ヒルデガルトの一団が帰還した。

 マリー=ルイーゼとシャルロッテは、それぞれ、魔術師(マジシャン)のルイーズ=アンジェリークとシルヴェーヌに支えられて、フラフラと足下がおぼつかない様子である。


 ディアヌとモニクは、ルイーズ=アンジェリークとシルヴェーヌに事情を説明し、コゼットとナディアを連れて六人でジャン=ジャック達の後を追った。

 もちろん、彼女らにも水薬(ポション)が配給された。


 敵を殲滅したら、彼らは戻ってくる約束だった。

 しかし、いつになるのか、当てにはできない。


 黒猫マックスは、町へは戻らず、トールと一緒に行動することになった。

 トールの頭の中では、黒猫マックスは、白猫ブルバキのライバルだった。

 どちらも、行動の先を読む、未来を予知する能力がある。

 きっと、良い勝負になる、と彼は思った。


 ジャクリーヌは、ジャン=ジャックが選抜せずに残した九人の応援組に、マグマの上に渡した橋を取り壊すように伝えた。

 アンリは、いぶかしがる顔を彼女へ向ける。

「マスター。せっかくの橋を壊すんですかい?」

 彼女は、その問いかけを無視して、ヒルデガルトに指示をする。

「あっちが終わった頃に、扉を閉めてくれ」

 ヒルデガルトは、無言で頷いて、魔界への扉の右にある装置の前でスタンバイした。


 一人納得いかないアンリは、ジャクリーヌに食い下がる。

「マスター。教えてくださいよ。なんで、向こうから開けてくれた扉をわざわざ閉じるんでえ?」

 彼女は、「熱いだろ?」と、とぼけてみせて、ニヤニヤする。


「そりゃ熱いですけど、涼しい風も入って来やすから、気にはなりませんぜ」

「いや、それでも閉じないといけないんだ」


 彼は、はたと膝を打って、自分なりの推理を披露する。

「わかった! この扉が偽物だった! 大当たりでしょう!?」

「いや、大外れ。これは本物さ」


「まさか、嘘でしょう!?」

「まあ、見てなって。これは手品だから」


 彼女はそう言いながら、橋が外されたことを確認した。

 そして、ヒルデガルトに向かって、右手で合図を送った。


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