表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

212/369

第212話 出口の先で見たものは

 いよいよ、彼らは横穴の出口に近づいた。

 暗闇に目が慣れているので、そこから差し込む光が弱くても、眩しく感じられる。


 目を細めてみると、松明を前に人が大勢集まっているのが見えた。

 その集団は、ジャクリーヌが足音を大きく立てて出口に向かっているのに気づいたらしく、一斉に彼女の方を向いて剣を構える。

 しかし、ジャクリーヌは一切かまわず、彼らに向かって「よう」と左手を挙げながら、横穴から飛び出した。

 出迎えた集団が、どよめいた。


 彼女に続いて、警戒しながら横穴を出たアンリは、辺りを見渡した。

 そして、額に手を当てて天を仰ぐ。

「ま、マジかよ!」

 なんと、目の前にいるのは、応援に駆けつけていた魔法組合(ギルド)のメンバーではないか!

 彼らは目を白黒させながら、次々と横穴から出てくる十一人を出迎えた。


 出迎えを受けるジャクリーヌ達の目の前には、時間が逆戻りしたような光景が展開する。

 荒削りの壁に松明。

 開かれた魔界への扉。

 地下から湧き上がるマグマの光。

 アーチの橋。

 その先で口を開ける漆黒の闇。


「おいおいおい! 振り出しに戻ったなんて、冗談だろ!」

 アンリは両手を挙げて、へなへなと腰を下ろした。

 ジャクリーヌは、彼の肩をポンポンと叩く。

「奴らに一杯食わされたってことさ」


「一杯食わされたんですかい?」

「そう。扉が開いて、必死に防御すれば、その先に魔王(サタン)がいると思うだろ。」


「確かに」

「その心理を利用されたのさ。まんまと、別の通路に誘導されたよ」


「じゃあ、本物の通路があるんですかい?」

「ああ。本物の通路は別にある」


「さっきの途中で、道を間違えたんじゃあ?」

「それはない。なんなら、もう一度あそこへ入ってみるか?」


「滅相もない! ……で、これから、どうしやす?」

「ヒルデガルトを待つ」


 彼女はそう言って、自分が通ってきた横穴の方に振り返った。

 とその時、別の横穴から、小さな黒い影が鉄砲玉のように飛び出してきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=229234444&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ