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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第193話 ジジと黒猫マックスのお手柄

 ジジは、二階でジャクリーヌ達の話を盗み聞きし、自分がヴェルサイユから通ってきた穴以外の穴からルテティアへ出られるとわかって、こっそり建物を抜け出した。

 途中、追いかけてきた黒猫マックスと合流し、彼の指示で、墓場で人型魔物が出入りするのを待っていた。


 たまたま、自分の背丈とそっくりな女の子の人型魔物が穴から這い上がり、開けっぱなしにして去って行った隙に、穴へ侵入。

 途中、横穴で何人かの人型魔物とすれ違ったが、暗いし、背丈が似ていたからか、誰にも疑われなかった。

 黒猫マックスは、体が黒いので、これまた誰にも気づかれなかった。


 そして、自分が抜け出てきたヴェルサイユ側ではない、反対のルテティア側に抜けられる穴を発見し、例の下水道へ到着。

 彼女と一匹が中を彷徨いながらも、無事に地上へ出られた。


 すると、彼女は王宮へ行き、衛兵に自分の名前を告げて親衛隊隊長に会いたいと伝える。

 彼女が、衛兵が引き合わせたリベルテ・デカルト親衛隊隊長にペンダントを見せたところ、感動の再会となった。

 ジジ・モントルイユは、四年前の魔王討伐の際に戦死した騎士の一人ジャック・マルセイユの忘れ形見だったのだ。


 ジジは、ヴェルサイユの叔父さんに引き取られ、ジジ・マルセイユからジジ・モントルイユに名前を変えた。

 そして、叔父さんから「困ったことがあったら、ルテティアへ行って親衛隊隊長に会って、ペンダントを見せなさい」と聞かされていた。

 その叔父さんが、人型魔物に殺されたので、這々の体で洞窟に隠れ、あの魔界の扉の前に迷い込んだらしい。


 リベルテは、ジジを王宮に保護。

 そして、黒猫マックスから、(ブラン)ファミーユの魔王討伐の丸投げ、連中の魔王への加担を聞いて、すべてを皇帝陛下に奏上。


 当然、(ブラン)ファミーユとの契約は破棄。

 ジャクリーヌをよく知っている皇帝陛下は、喜んでピカール魔法組合(ギルド)と契約することを決定。

 報酬金額13万5千ルゥ・ドゥオールと前金1万ルゥ・ドゥオールは、そのまま引き継がれた。


 何より嬉しいのは、親衛隊と騎士団を明日夜までに援軍として派遣。

 さらに、一応の期限は今まで通りとするが、違約金はなし。

 前金は、それまでかかった費用として、万一討伐に失敗してもそのまま受け取ってよし、となった。


   ◆◆◆


 リベルテの話を聞き終えた一同は、大いに湧いた。

 ガヤガヤと話が続く中、ジャクリーヌは、リベルテから渡された皇帝陛下との契約書を隅から隅まで目を通す。

 書類に目を落とす彼女だが、頭の中では、四年前の出来事や今までの出来事が、走馬灯のように駆け巡った。


 明日は決戦だ。

 ペンを握る彼女の手に力が入る。

 そして、書類に穴が開きそうなほど力を込めて署名した。


 その時、扉の外で三つの黒い影が互いに頷き、風のように立ち去った。


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