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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第192話 親衛隊隊長と騎士長の来訪

 トールが仕事を終えて、日が暮れた頃に魔法組合(ギルド)へ戻ってみると、カウンターでタバコをくわえて頭を抱えているジャクリーヌと、丸テーブルに座って沈んだ顔をしている仲間がいた。

 人数を数えてみると、自分が最後の帰宅らしい。


「どうしたんですか?」

 トールの問いに、ジャック、ルイーズ、ブリジットが口を揃えて答える。

「「ジジとマックスが消えた」」


「マジですか!?」

「「マジ」」

 何の特徴もない三人が、イントネーションまでぴったり揃えて話すので、トールは吹き出しそうになった。


 とその時、扉の前に馬が到着したような音がした。

 一匹ではない。

 次から次にやってくる。かなりの数だ。

 近くにいたジャックが、様子を見るために重い扉を開けると、鎧を着て兜を脇に抱えた男女数人がドヤドヤと入ってきた。

 ジャクリーヌは、胡散臭そうに扉の方をちらっと見たが、ギョッとして二度見した。


 先頭に立っていた女性が金髪を掻き上げ、ジャクリーヌの姿を認めると、笑顔を見せる。

「久しぶりね、ジャクリーヌさん」

 ジャクリーヌがくわえていたタバコの長い灰が、ポロリと落ちる。

「あたしら、何も悪いことしてないよ。リベルテ・デカルト親衛隊隊長さん」

 すると、横にいた紅毛の女性が一歩前に出る。

「いえいえ、家捜しでは――」

「気になるなら、上から下まで見てもいいよ、ジゼル・ジョルダン騎士長さん」


「ですから、そうではなくて――」

「四年前の蒸し返しは、ゴメンだね。あの時、死んだ騎士のジャック・マルセイユさんには申し訳ないが」


 とその時、紅毛の女性の足下からおっさんのような口調の声がした。

「おい、聞け、マスター。朗報だぞ。こいつら、援軍をよこすとよ」

「マックス! どこへ行っていたんだい!?」

 トールは仰天して目を丸くするも、すぐに笑顔を取り戻した。


 黒猫マックスは、トールの丸テーブルにヒョイと飛び乗った。

「おう、聞きたいか? 俺の血湧き肉躍る冒険譚を」

 すると、リベルテが口を挟む。

「いいえ、それはこちらから話します」

「ちっ、なんでえ」


「後で、皇帝陛下からの正式な魔王討伐の依頼をジャクリーヌさんにしますからね。(ブラン)ファミーユとの契約は破棄されましたので、ご安心を」

「だとよ、マスター。さっそく、前祝いといこうぜ」


 皆の注目を浴びながら、リベルテ達は空いている丸テーブルに座り、今日一日の出来事を話し始めた。

 これに黒猫マックスが、いくつか補足した。

 それらを総合すると、ジジの失踪以降の話は次の通りである。


   ◆◆◆


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