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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第188話 魔界の扉を開く暗号

 トールは、喉を押さえながら立ち上がり、少し咳き込みながら言う。

「こ、これが魔界への扉。……こんなに大きいとは思わなかった」

 アンリが腰を押さえ、首を左右に振ってコキコキ言わせながらつぶやく。

「めちゃくちゃ、でけえ。こんなおぞましいもの、見たことがねえぜ」

 マルセルは、頭を押さえながら立ち上がって言う。

「マスター。昔、あたいらが戦ったとき、こんな扉なかったよね?」

 ジャクリーヌは、扉を見上げながら、相槌を打つ。

「ああ。……邪悪な力が込められた扉のようだ。全身がぞわっとする」


「ねえ、トール。これぶち壊すことできない?」

 シャルロッテは、お尻をはたきながら立ち上がり、トールに向かって尋ねた。

「お嬢ちゃん。滅相もねえ。この扉にあるみたいに、魔物がうじゃうじゃ出てくるかも知れねえぜ」

 アンリは、顔の前で右手を左右に振った。


 とその時、ヒルデガルトがつつっとやってきて、ボソッと言葉を口にする。

「開けられるかも」

「「「えええっ!!??」」」

 ほぼ全員がハモった。


 トールは、ヒルデガルトのそばに歩み寄った。

「ヒル。マジで?」

「マジ。女があそこのボタンを押すところ、見た」


「本当!? それは大手柄だよ!」

「でも、5つ押したうち、3つの順番しか見えなかった。体の陰になって」


「どういうこと?」

「ちょっと、来て」


 ヒルデガルトが、するすると扉の右側の四角い装置へ向かって歩いて行く。

 その後ろを、トールを先頭に全員がついて行った。

 装置は、左から横一列に5つのボタンが並んでいて、左から数字の1、2、3、4、5が順番に描かれていた。

「3、1、何か、2、何か、の順番に押していた。4、5は体の陰に隠れて見えていない」

 彼女はそう言って、順番に押すようなポーズを取った。


 ジャクリーヌは、腕組みをし、顎に手を当てる。

「つまり、4と5をどの順番に押すかだな」

 マルセルが、右手を挙げて一歩前に出てくる。

「4を2回かもよ」

 ヒルデガルトは、少し上を見る。

「3、1、何か、2、何か、の組み合わせは4通り」

 ここで、皆は、うーんと考え込んでしまった。


「全部押したら、いいじゃん」

 これは、シャルロッテ。

「失敗したら怖い」

 これは、珍しく口を開いたオデット。


 妙案がなかなか思いつかないでいると、マリー=ルイーゼが突拍子もないことを口にした。

「3、1、5、2、4、だよ」

 トールは首を左右にかしげる。

「なんで?」


「いや、なんとなく」

「ガクッ」


「うそうそ。ちゃんと理由はあるよ」

「何?」


「3、1、5、2、4って数字を並べて、日本語で読んでみたの」

「日本語?」


「日本語だと、なんて読める」

「サンイチゴニヨン?」


「いやいや。サイゴニシ」

「え? 何それ?」


「つまり、『最後に死』」

「……そうか! って、おいおい、ここは異世界のフランク帝国だよ! 日本語があるわけないじゃないか」


「だから、なんとなく、なの」

「あのねー、もしもしー」


 すると、ヒルデガルトが「やってみる」と言って、いきなり3、1、5、2、4の順番にボタンを押してしまった。

 アンリが慌ててヒルデガルトの左腕をつかんだときは、すでに遅かった。

 地面が、小刻みに揺れ出したのだ。


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