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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第184話 想定外の敵

 とその時、トールの右側から「キャー!」とシャルロッテの叫び声が聞こえてきた。

 見ると、彼女が後ろから男に羽交い締めにされている。

 他にも男が二人、マリー=ルイーゼ達に飛びかかろうとしているところだった。

 強盗の町民が人を襲っているのか?

「野郎!」

 ジャクリーヌは、まるでヒョウのごとく、男へ飛びかかり、あっという間に三人を叩きのめした。

 そして、彼女は倒れて仰向けになった男の胸に、渾身の力を込めて強烈な一撃を与えた。

 すると、男達は光の粒になって消えていく。

 人型の魔物である。


 その間に、トールは、強化魔法と防御魔法で戦闘準備を整えた。

 彼が今頃になって施した理由は、この魔法を使うと全身が光ってしまい、隠れることができないからだ。


「しまった! 前に気を取られていた!」

 そう言う彼女が指さす方向を見ると、自分たちから見て2列後方の3つの墓石が動いていて、こちらも3つの四角い穴が口を開けている。

 でも、ほぼ同時に6箇所の穴を三人で開けられるのか?

 トールはハッとして、先ほどまで監視していた墓石の方を見た。


 いた。

 案の定だ。

 3つの穴のそばに、黒いローブを着て、黒いフードを頭からすっぽりかぶり、顔を隠した三人が立っている。

 彼らは右手のひらをトールに向けて、次々と魔法名を叫ぶ。

(フードゥル)!」

(ランス)!」

突風(ラファール)!」


 彼らの手の先にある輝く魔方陣から、横向きの雷、3メートもの槍、轟音を伴う突風が発射され、トールを襲う。

 だが、防御魔法を施しているトールの前には、そんなものは子供だましの魔法。

 小規模の爆発はあったものの、彼は平然と立っていて、1センチも動いていない。

 すると、真ん中にいた人物がヒューッと口笛を吹いて、感嘆の声を上げる。

「さっすが、世界最強の魔力を持つ子だね。これでも、ちょっとは力を入れてみたんだが、全力で行かないと駄目ってことか。いやはや……」


 とその時、ジャクリーヌが狼狽えた。

「そ、その声は……! まさか……!?」

 男は、ちょっと間を置いて答える。

「あーあ。裏声を使うつもりが、つい地声になってしまったね。その子のせいだ。……そうだよ。そのまさかだよ」

 すると、三人の男が一斉にフードを上げて、顔を見せた。

 ジャクリーヌは、驚きのあまり、声も出ない。


「どうしたんだい、ジャクリーヌ姉さん? 幽霊でも見ているような顔をして。僕たちがここにいてはいけないとでも? 今の姉さんの顔を、魔王(サタン)様の前に見せたいよ。どうだい? 今から魔王(サタン)様に謁見に行くかい?」

 ジャクリーヌは、魔王(サタン)と聞いて、大いに奮い立って声を出す。

「ああ、願ってもない話だね! 今から謁見に行こうか!?」

 だが、男は、ニヤニヤして肩をすくめ、冷たく言い放つ。


「その代わり、そいつら全員が死ぬことになるけど。四年前を再現してもいいのかな?」


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