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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第170話 続・異世界転生組の華麗な連続攻撃

 トールは、すぐさま後ろを振り返る。

「ヒル。例の水攻撃を。そして、シャル。例の光攻撃を」

「「ラジャー!」」

 ヒルデガルトとシャルロッテは、ハモった。

 まず、ヒルデガルトが直立不動の姿勢で、右手を高く掲げる。


渦潮(シュトゥルーデル)!」


 彼女が魔法名を叫ぶと、密集隊形の連中の足下に、一度に全員が乗っかるほど巨大な魔方陣が出現した。

 それは、水色に輝く幾何学模様と古代文字の魔方陣だ。

 急に足下が輝いたのでざわつく兵士達の周囲に、突然、6メートルもの水の壁が現れた。

 壁が円周状に兵士達を取り囲むと、今度は内側に水がなみなみと満ちて、2メートル以上の深さになった。

 溺れる兵士達は、水中で必死にもがく。


 それから、水全体が唸るような音を立て、時計回りに回転しながら、壁が徐々に内側へと幅を狭めていく。

 外からは見えないが、中では巨大な渦潮が起きており、悲鳴を上げる兵士達は目にもとまらぬ高速回転を余儀なくされていた。


 1分後、直径が3分の2にまで狭められた頃、渦潮の魔法が解かれた。

 現れたのは、折り重なるように倒れた白骨兵士の山。

 だが、致命傷に至らなかったのか、彼らはヨロヨロと立ち上がろうとしている。

 今度は、シャルロッテが左足を前に踏みだし、腰を低めの前傾姿勢になった。

 そして、両手のひらを前に力強く突き出す。


無数の(タオゼンデ)彗星たち(コメーテン)!」


 彼女が魔法名を高らかに叫ぶと、彼女の手の先に、直径2メートルもの七色に輝く幾何学模様と古代文字の魔方陣が現れた。

 そして、そこから、魔方陣と同じ直径の光の球が出現した。

 ゆっくりと出てきた光の球は、すぐに加速を始め、トール達の前にいた一人の白骨兵士を瞬時に飲み込んで、白骨の山へと突進する。

 光の球は、大量の金粉をまき散らすかのように輝く、長い尾を持った巨大な彗星。

 しかし、今度の魔法は、勝手が違う。

 地面と水平方向に突き進む彗星は、途中で無数の彗星に分裂し、白骨の兵士達に容赦なく襲いかかって爆発する。

 腹に響くような爆裂音が連続する中、白骨兵士達はことごとく光の粒となって消滅した。


 百体以上の白骨部隊が一瞬にして壊滅。

 見せしめにしては、十分すぎる。


 周囲にいた百人以上の人型の魔物は、大いにどよめき、周章狼狽する。

 そして、一斉に、我先にと潰走した。


 アンリ達六人は、顎が外れたのではないかと思うほど、ポカーンと口を開けたまま立ちすくむ。

 それは、ディアヌ達六人も同じだった。

 特にディアヌは、自慢の美貌が崩れるほど、目を丸くして大きな口を開けていた。

 誰もが言葉を失った中、獣人族のデュポンだけが言葉を口にした。


「マジかよ……。か弱い女の子が放つこの魔法。魔王(サタン)の幹部達が使う超弩級の魔法と、おんなじじゃねえか! アンリよう。こいつら、S級なんてもんじゃねえぜ! SS級だぜ!」


 とその時、トール達の背後に、馬のいななく声がした。

 さらに、複数の蹄の音が急接近してくる。


 トール達は、一斉に後ろを振り返った。


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