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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第169話 白骨部隊と人型の魔物達

 トール達が立っているメインストリートの向こうから、銀色のスケイルアーマーを着用した白骨の兵士が、剣と盾を持ち、密集隊形でゆっくりと近づいてきている。

 その数、ざっと数えても、百体は下らない。

 だが、それらはトール達にとって、それほど問題ではない。

 問題は、メインストリートにつながっている全ての路地から、次々と湧いてくる人型の魔物だ。

 彼らは、町民と区別が付かない。

 区別が付くとしたら、手に剣を持っていること、それをトール達に向けていることだ。


 トールは、アンリ達とディアヌ達に尋ねる。

「町民のみんなは、今どこにいる? それと、魔法組合(ギルド)のメンバーも、今どこにいる?」

 まず、アンリが回答する。

「うちのマスターが、町民を集会場に集めて結界を張っている。さっきまでそこにいた十数人が最後に集会場に入ったはずだから、全員避難ってとこだな」

 そこに、ディアヌが言葉を続ける。

「ポアソン魔法組合(ギルド)のメンバーは、わたくしを含めてここにいる六名以外、全員町の外へ仕事に行っていますの」


「ということは――」

 トールは周囲を見渡す。

「ここにいる僕ら以外は魔物だと思って良さそうだね。完全に囲まれたみたいだけど」

 ディアヌも周囲を見渡して、震えながら言う。

「白骨の兵士は百人以上。人間の姿も……ざっと百人以上いますわね」

 アンリは冷静さを無理に装っている様子で、トールの方を見る。

「ど、どうする? トールよ」

「町を壊してもいいなら、僕の一撃で、今ここにいる奴ら全員を吹き飛ばせるけど」


「そりゃ、ヤバいだろ。町を壊したら弁償する金がねえ」

「草原とかにおびき出せたらなぁ。二百人なんか、数のうちじゃないんだが」


「おいおい。すげーこと言うなぁ。どうやって一気に片をつけるんだ?」

「この拳で、地面を叩けば」


「どうなる?」

「直径100メートル以上の地面が爆発して、30メートルは陥没するね」


「ま、マジでやめてくれ! 俺たちまで巻き沿いにしないでくれ!」

「そう。だから、奴らの戦意をそぐ方法を考えている。つまり、攻め込んでも無駄だと思わせる」


「どうやって? ……お? 白骨の連中が止まったぞ」

「おおかた、連中のボスが降伏勧告をしに来るんだろう。……ほら、来た」


 アンリとトールの見たとおり、密集隊形の白骨部隊は停止し、先頭の中央にいた兵士が一人歩み寄ってきた。

 そいつは、トール達と10メートルの距離を置いて停止。

 そして、唸るような低い声で話し始める。

「この町を明け渡せ。残るは貴様らだけだ。多勢に無勢。無駄な抵抗はやめろ」

 アンリは小声でトールに伝達する。

「うちのマスターの結界は、中のものを完全に隠す。だから、気づいていねえみたいだ」

「それに、僕たちだけだと言っている。人質はいなさそうだね」


「聞いてみるか?」

「よろしく」


 アンリは咳払いをして、白骨の兵士に大声で尋ねる。

「人質は俺たちだけってことか!?」

 白骨の兵士は、頭蓋骨をカクカクと上下に振りながら答える。

「そう。貴様ら全員が人質みたいなものさ。さあ、観念して町を明け渡せ」

 それを聞いたトールは、ニヤリと笑った。


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