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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第三章 魔王討伐編

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第167話 ギルド加入の条件

魔法組合(ギルド)に入るには、どんな条件が必要? 後、待遇はどうなるの?」

 トールの言葉に、ディアヌは待ってましたとばかり、笑顔で答える。

「何も条件はございません。あの魔界からの侵略者(アントリュー)を一瞬で葬り去るお方に、何の条件がいりましょう? 即日、ギルドへの登録は完了で、S級ランクのカードを発行いたします。待遇は、優先的に依頼の案件を回しますわ」


「でも、あなたはポアソン魔法組合(ギルド)支配人(メートル)ではないですよね?」

支配人(メートル)? ああ、それは『マスター』で通じますわ。ええ。なんなら、ここにマスターのジャン=ジャック・ポアソンをお呼びし、この場で契約いたしましょうか?」


 トールは、マルセルの方に向き直って質問する。

「そちらのピカール魔法組合(ギルド)は?」

 マルセルは、ちょっと困ったような顔で答える。

「もちろん、即日登録でS級ランクのカードを発行、は同じだが、……案件となると――」

 ここで、ディアヌが会話に割り込んできた。

「そっちの案件は、うちより断然少ないわよ。暇になるかもしれませんわ――」

 マルセルが、すかさず反撃する。

「たりめえだろ! S級ランクの案件なんか、そんなに来ねーよ! そっちは、せいぜいA級案件止まりだろうが!」


 トールは首をかしげる。

「ん? どういうこと? ポアソン魔法組合(ギルド)もピカール魔法組合(ギルド)も、僕らをS級ランク扱いしてくれるけど、もしかして、依頼の案件に違いがあるの?」


 マルセルは、難しい顔をして、豊かな胸の前で腕組みをした。

 そして、深呼吸をしてから、おもむろに回答を始めた。

「ちょっと、いきさつから話さないとな。……実は、ポアソン魔法組合(ギルド)から、当時S級ランクの女勇者(エロー)、今は女マスターのジャクリーヌ・ピカールと、今ここにいるS級ランク六人が飛び出してピカール魔法組合(ギルド)を始めたのさ。だから、ポアソン魔法組合(ギルド)は、最高でもA級ランクしかいねえ。仕事も、A級ランク止まりで、実入りのいいS級ランクは受けられねえときた。だから、トールみたいなS級ランクが喉から手が出るほどほしいのさ」

 ディアヌは、マルセルの言葉が図星らしく、横を向いてフンと鼻を鳴らした。


 そんな彼女を見て、マルセルはニヤッと口角をつり上げて言葉を続ける。

「で、うちらのところにS級ランクの案件が来るんだが、ガルネは田舎町なんで、そうそうS級の仕事なんか、ねえ。首都のルテティアとか、ヴェルサイユとかの大都市なら別だが。それで何をしているかというと――」

 ここにディアヌが、哀れみの顔で言葉を投げかける。

用心棒(ギャルドドゥコール)。魔界からこの町に侵入する悪者を退治しているの。いつ来るかわからない相手にジッとしていて、報酬は町民からの差し入れのみですけど」

 マルセルは歯ぎしりをしながら言葉を続ける。

「まあ、実入りは小さいが、これも立派な依頼の案件なんだがね!」


「そんなにS級ランクのチームばかりを抱えて、そちらの魔法組合(ギルド)は何をしたいの? 少ない仕事の奪い合いになるわよ」

「そっちに逸材を取られたくねーんだよ!」


「わたくし達の勢力拡大を邪魔するおつもり?」

「あのオカマのマスター、ジャン=ジャック・ポアソンを追い払ってくれたら、そっちに戻ってやってもいいんだがな! あいつは魔力の高い奴に嫉妬深いし、一緒にいるとろくなことがねえ。それがイヤで、うちらが今のマスターと一緒に飛び出したんだからな!」


 二人が言い争う中、ヒルデガルトよりさらに頭一つ低い老婆が、杖を突きながらトールに近づいてきた。


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