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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第二章 魔法学校編

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第110話 鬼が銃で追い回す鬼ごっこ

 部屋中に響くショットガンの発砲音。

 宙を舞う薬莢。

 凶弾はイヴォンヌとヒルデガルトの足下に着弾し、濃い茶色の床から破片と白煙が立ち上る。

 おそらく悲鳴を上げているはずの彼女達は、口を大きく開けながら方々へ逃げ惑う。


「これは、魔法が込められた弾丸よ。つまり、私は、魔弾の射手」

 まだ煙が出ている銃口が、今度はシャルロッテとマリー=ルイーゼを狙う。

 ショットガンが火を噴いた。

 彼女達は、足下の着弾を確認することなく、左右へ跳ぶ。


「さて、お次は……」

 イゾルデは、次に狙う獲物二人へ視線を向けたが、そこには漂うコラージュの板のみ。

「あらら? 本当に、リアルな鬼ごっこになったわね。どれどれ――」

 彼女は、宙に浮いたまま周囲を見渡す。

 念のため、背後も確認する。

 トールとアーデルハイトが示し合わせて、背後を取ることを警戒したのだ。

 いない。

 どうやら、全員がコラージュの板の裏に隠れたらしい。


 イゾルデは、動くコラージュからはみ出た二つの人影を見つけた。

「あら、あそこにいる。鬼さんは瞬間移動できるのよ。こうやってね――」

 彼女はそう言うと、瞬時に移動し、隠れている二人の背後に立った。


 二人はイヴォンヌとヒルデガルト。

 彼女達は背後に人の気配を感じたが、すでに遅かった。

 後頭部に冷たい何かが当たる。

 ショットガンの銃口だ。

 二人の心臓は凍り付く。


「チェックメイト」


 イゾルデの冷徹な声に、二人は両手を挙げた。

 すると、空中から縄が現れ、ひとりでに二人をぐるぐる巻きにする。


「そこで大人しくしていなさい。……次は、あそこね」


 イゾルデはまたもや瞬間移動した。

 漂うコラージュの下に足が見える。

 彼女は、その板を思いっきり蹴った。

 飛ばされた板にぶつかって尻餅をついたのは、マリー=ルイーゼ。


 さらにイゾルデは、その左側の板を強く蹴る。

 同じく板にぶつかって尻餅をついたのは、シャルロッテ。

 二人の顔に銃口が素速く向けられた。

 イゾルデは、唇に縁取られた白い歯を見せて嗤う。


「チェックメイト」


 イゾルデの冷徹な声に、こちらの二人は剣を捨てて両手を挙げた。

 すると、空中から縄が現れ、こちらもひとりでに二人をぐるぐる巻きにする。


 イゾルデは、直ぐさま後ろへ振り返る。

 まるで、後二人がそこに隠れていることを確信しているかのように。


「四人は、ゲームオーバー。残りは、あなた達二人。隠れても無駄よ。大人しく出ていらっしゃい」


 しかし、人の気配はない。

 動いているのはコラージュの板のみ。


「そこにいるんでしょう? 来ないなら、こちらから行くわよ」


 イゾルデは、中央奥の壁際へ瞬間移動する。

 そして、互いに2メートルほど離れて漂う2枚の板の真ん中に立って、一歩踏み出した。


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