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僕と幼馴染みと黒猫の異世界冒険譚  作者: s_stein
第二章 魔法学校編

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第103話 ヒルデガルトの初の大技魔法

 ヒルデガルトが、小躍りするように跳ねながら手招きをしている。

 マリー=ルイーゼとシャルロッテは、そんな彼女のそばへ駆け寄った。


「なに、なに、なに!? どうしたの!?」

 シャルロッテは、息も荒く問いかける。

「見つかった。泥人形の弱点。それは水」

 ヒルデガルトが、ずり落ちた軍用ゴーグルを直しながら、言葉をボソッと口にする。


 それから、彼女は両手を胸の前に突き出して、右手が上、左手が下になるようにしてから、両方の手首をくっつけた。

 そしてそのまま、大きめのボールをつかむような指の形にした。

 パッと見た感じは、手首から先は、つぼみが開いて花になった形のポーズだ。


「「えっ、えっ、えっ!? 何が始まるの!?」」

 二人は目を丸くして、ハモった。


「図書館の本で覚えた」

「「だから、何が!?」」

 しかし、二人の突っ込みは無視された。


放水(ヴァッサー)(ヴェルファー)!!」


 初めて魔法名を口にしたヒルデガルト。

 すると、彼女の手の先に、直径1メートルはあろうかという朱色に輝く幾何学模様と古代文字の魔方陣が出現した。

 その場にいた四人プラス一匹の全員が、驚愕のあまり、口をあんぐりと開けて見とれてしまった。


 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


 腹に響く重低音を残して、大量の水が魔方陣から放出。

 まるで、大型放水車からの放水だ。

 目撃者は、背丈の低いヒルデガルトと術の大きさのギャップに、腰を抜かす。

 勢いが衰えない水流は、太い円柱となって空中を直進し、トールを捕まえている泥人形の背中に激突した。


 ドスンという大きな鈍い音。

 水柱が、立ち塞がる泥を掘るように突き進む。

 あっという間に、泥人形の首の下辺りの背中に大穴が開いた。

 水柱は、大量の泥をかっさらって、骸骨達の頭にぶちまけた。


 ヒルデガルトは少し水の勢いを緩め、次はアーデルハイトをつかんでいる泥人形へ水流を向けて、勢いよく放出する。

 すると、こちらの泥人形も同じ位置に大穴が開いた。


 ダメージを受けた泥人形達は、捕まえているトール達を巻き込んで、ゆっくりと前のめりに倒れていった。


   ◆◆◆


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