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日々の出来事  作者: 真澄
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遠足

 息子が明日、松代に遠足に行きます。学校から歩いて松代までというとちょっと距離があるように思いますが、学校では頑張って歩かせてしまうようです。

 

 松代の遠足というと、自分が高校の時の遠足を思い出します。

 高校に入学したばかりのGWの飛び石連休中に行われていました。クラスの親睦のためにと、クラスごとで行き先を決めていました。自分のクラスは入学したばかりで、何も決まらなかったように思います。他のクラスはバスを借りて遊園地に行くとか、そんな話も聞こえてきました。

 いつの間にか、わがクラスは松代へのサイクリングに決まっていました。ホームルーム中誰かが、担任に不満をぶつけていました。その抗議の言葉に担任はこう言いました。

「おめたが(お前らが)決められねえから、俺が決めてやった」こう言われてしまえば、返す言葉もありません。せっかく学校の近くに有名な史跡があるのだからしっかりと見てほしい、とかなんとかそんな言葉が続いたような記憶があります。

 朝一番の見学場所は、真田家菩提寺の『長国寺』でした。このお寺の隣から通っていた同級生は、現地合流が許されていたようです。

 地元の高校生という事で、一般公開されていない歴代真田家のお墓まで見学できるように、担任の先生が頼んでくれたようです。真田家は徳川家の養女が嫁いだ先という事もあって、譜代大名扱いで国替えがありませんでした。そのために、歴代の藩主のお墓がすべてそろっていると、自慢げに説明をしていたのを覚えています。

 「この中で、『日暮硯』を読んだ人はいますか」と最後に聞かれました。手を挙げたのは担任だけです。

「地元の高校生が見学に来るのに、誰も読んでいないのですか」と言われたのが、皮肉にしか聞こえませんでした。悔しかったので、探し出して読みましたけど。

 藩改革の中質素倹約を実践していた藩主に、息抜きに鳥を飼うことを勧めた家臣を大きな鳥小屋に入れてしばらく暮らさせた話が有名です。数日後家臣にかごの中の暮らしはどうかと聞いて、つらかったといわせる話です。

 その後は、みんなで海津城跡地に行って自由行動になりました。今ではきれいに整備されていますが、当時は石垣の上に桜が植わっている、地元のお花見スポットでした。担任の先生と有志は、松代大本営跡地の地震観測所に行ってしまいました。残ったクラスメイトは各々ビーチボールを持ってきていて、ボール遊びを始める人に、ただただ暇だねぇと座り込む人に。私は友達数人と真田宝物館に行って、刀剣や武具のきれいさに驚いて帰ってきました。

 そういえば、中学の時も松代巡りをしていました。先生方に連れられて、松代の史跡を巡った記憶がよみがえりました。


 それからだいぶ年月が経っています。観光用に整備され、息子たちの遠足ではガイドさんが付くようです。時代は変わったものです。

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