ふきみそ
例年よりもかなり遅れてですが、庭先にふきのとうが頭を出し始めてました。それを見て亭主殿が
「ふきみそ食べたいな、ふきみそたべたいな」とうたっています。食べたいのならうたってないで、自分でとって採ってくれればいいものを。
先日の休み、暇そうにしている亭主度にそういってみました。
「だって、もう花咲いちゃったじゃん」いやいやいや、まだ開いていないのは沢山あるはずですから。こちらは洗濯物干すので忙しいのです。室内に亭主殿の気配がないと思っていたら、一人で黙々と採っていました。ふきのとうを採ったのはいいとして、それをレジ袋に入れて放っておいても、ふきみそにはなりませんから。泥を落として傷んでいるところを外して、それから刻みんですから。
「それ、水につけておいて」きっと普段料理をしたことがない人に、それ以上は頼めませんでした。
家事がひと段落して、ふきみそづくりを開始です。ボールの底には自然に溶け落ちた泥がたまっています。外の葉をはぐと、まだ落ちきれていない泥があるのでそれもきれいに落とします。刻んで、油で炒めて、みりんと砂糖と味噌を適当に入れて、水気がなくなるまで煮詰めます。ここで一回味見をしてみると、苦い。みりんを足して、煮返して一晩味をなじませれば出来上がり…のはずです。
次の日の朝改めて食べてみたのですが、美味しいとはいいがたいものになってしまいました。炒める時間が短かったせいか、苦みが全く抜けていません。苦みのある山菜を食べて、体に春になったことを知らせると体調がよくなるといったようなことを聞いたことがありますが、それにしても苦い。
そんな苦いふきみそを、亭主殿は黙って食べていきました。




