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日々の出来事  作者: 真澄
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積雪

長野市民新聞 2017年2月18『長野の大地』より

がまあ つひのすみかか 雪五尺』

今から254年前、小林一茶が生まれ故郷に帰ってきたときに読んだ句だそうです。2月18日付の市民新聞で、この句についての考察がなされていまいました。昭和57年から平成28年までの35年間の積雪記録が紹介されています。それによると、小林一茶の出身地の信濃町の平均積雪値は109センチで、三尺六寸。最高値は176センチで5尺8寸になるそうです。江戸時代と今とでは降雪量に違いがあるかもしれませんが、決して誇張ではないと記事はまとめています。

 小林一茶については郷土の俳人ということもあって、小学生の頃に『小林一茶かるた』なるものを暗唱させられた記憶があります。今でも覚えているものに

『うまそうな ゆきがふんわり ふんわりと』

『雪とけて 村いっぱいの 子供かな』

などがあります。今でも、11月の末ごろから3月末まで雪の残る地域です。春先のボタン雪を見ながら旨そうだなぁと思ったり、子供たちが外で遊ぶ姿に春を感じたのでしょう。


 『一里一尺』と言い言葉も同時に考察がなされていました。県の北部には、中野市の高社山と大町の中綱湖を結ぶ天気界なるものが存在するそうです。ここ数年の積雪の観測値でも、この天気界を境に4キロ進むと積雪が30センチほど増えるそうです。

 そのためでしょうか、今でも信濃町付近では『少しでも南に嫁に行け』と言われているようです。


 今朝の川中島平の積雪は、10センチほどだと思われます。同じ市内でも、観測地点のある市内の北部と我が家では、若干積雪量が違います。亭主殿は雪だ雪だと大騒ぎして出勤してゆきました。ですが南に行けば行くほど行く気が少なくなるのです。一目100万本のあんずと言われる森まで行けは、積雪なんかないと思うのですがねぇ。


 今日の雪は、冬型の気圧配置による県北部に多い雪なので南に行くほど積雪量が減ります。ところが、普段雪の降らない県の中南部の積雪が多くなる場合があります。そんな時には、『上雪かみゆき』と呼ばれます。

 上が何を表しているのか、使っている県民も実は理解していません。私はてっきり、上方の東京や大阪に近い地域に多く雪が降るから『上雪』だと思っていました。これ以外にも、普段雪の少ない標高の高い松本や諏訪佐久地域に雪が降るから、なんて説もあるようです。それだと飯田の標高はどうなんだと思ってしまうのは、ひねくれものでしょうか。

 上雪になるときには、南岸低気圧の通過での降雪になります。首都圏で数センチの雪で大騒ぎになっているときには、諏訪や軽井沢では数十センチの積雪になっているはずです。南岸低気圧による降雪は、昔は春が近くなるとみられるものでした。昔は春が近い証拠と言われている現象でしたが、近年の気象の変化を見ると、一概にそうも言えなくなってきています。


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