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日々の出来事  作者: 真澄
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大掃除

 暇を見つけて少しづつ張り替えていた障子が、今日すべて終わりました。どうやっても外れなかった雪見障子の部分と比べても、それほど違和感がありません。こんな苦労して障子を張り替える必要があったのかと、考え込んでしまいます。

 年末に大掃除をするのは、年神様やご先祖様をお迎えするところをきれいにするためだとか。だから神棚だけきれいになっていればいいというのは、母の言葉です。ですから母は、年末の大掃除はしません。お盆には仏壇を掃除し、年末には神棚だけを掃除しています。障子は暖かい時期に張り替えるとか言って、春のお彼岸の前に数年に一度張り替えています。

 そうなると離れは、鏡餅を飾る床の間だけきれいになっていればいいのかと。イヤイヤイヤ、年神様は母屋の神棚にいらっしゃるのだから離れなんどうでもいいじゃん、と思ってしまうのでした。

 大掃除に適した時期は、気候のいいゴールデンウイークとか外の仕事が出来ない梅雨時とかです。ところが、その時期には大掃除をやろうという気にならないのです。住宅洗剤のCMの「今年のよごれ、今年のうちに」なんて言葉が頭に浮かばないと、やる気にならないのがホンネです。

 我が家の台所には、蜘蛛の巣が沢山あります。蜘蛛の巣を払ってもすぐに張りなおしてしまうし、別に台所の隅に蜘蛛の巣があっても邪魔にならないので、ひと夏放っておきました。夏の間中、蚊の駆除のために殺虫剤を思いっきり散布していたのに、それでも蜘蛛は生き続けました。その蜘蛛の巣には今、沢山の卵が残っています。その卵を守るように張り付いていた親蜘蛛は、1週間ほど前に死んで巣から落ちました。私が親蜘蛛に気を使う必要もないのですが、親蜘蛛が生きているうちは巣を取り外すのが可哀想で放っています。

 台所の大掃除は、蜘蛛の巣の卵を縁の下に移すことから始めます。同じ親として、自分の子供たちを守っていた姿をみていると、潰してしまうのもかわいそうでできないのです。そこまで感情移入することも、ないのでしょうけれどね。

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