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日々の出来事  作者: 真澄
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自家用米

 在所は、自分の家で食べる分にちょっと多いくらいの稲作を行っている方々がほとんどの地域です。自分の家で食べる1年分は、各家庭で籾で保管しています。しっかりと乾燥させた籾なら、かなり長い間保存することができます。

 在所では昔ながらに、稲を刈り、稲架はぜ掛けをして乾燥させたものを、移動式の脱穀機で脱穀します。1年で食べる分だけを自宅に残し、残りは出荷します。ライスセンターに出荷すると、乾燥の度合いを調べられ、乾燥が足りないと乾燥機にかけられます。乾燥料は別途請求されるようで、これがかなりお高い。ただでも出荷量が少ないのに、そんな経費をかけられないと、今年父はかなり長い期間、天日干ししていました。

 稲架掛けせずに、いきなりコンバインで収穫してしまうお宅もあります。乾燥させないまま保管すると、虫が湧いたり、カビが出たりするそうです。そうならないために、コンバインの袋ごと日向ぼっこさせています。そうして、籾の湿気を飛ばします。

 今年我が家では、籾保管庫を買いました。今までは、大きな鉄の箱の中に保管していたのですが、どうしてもネズミに籾を食べられてしまっていました。どこかにネズミの抜け穴があるのでしょうが、それがどうしても見つけることができませんでした。結局父は、新しい保管庫の購入を決意したようです。

 パンフレットを見ていると、温度管理ができる物が多くみられました。政府米は、玄米で管理されています。玄米にすると酸化してしまい、品質を保つため低温で管理する必要が出てきます。同じような管理を家庭でもできるようにと、温度管理や除湿のついた小さな米蔵が売り出されているようです。

 ですが我が家では、そのような機能は必要ありません。只の丈夫な箱があればいいのです。父がどのようなものを購入するのか、楽しみに待っていました。脱穀が終わり、籾の出荷も済んだある日のこと。父と亭主殿で、土蔵の中に桐籾保管庫が組み立てられました。幅1.5M高さ1.2M奥行き1Mほどの観音開きの桐の保管庫です。土蔵の床が歪んでいるために、ストッパーがかからずに石で扉を止めているところにちょっと不安がありますが、今までの物よりも籾の出し入れが簡単になりました。

 

 保管している籾は、近所にある農協の『コイン精米所』にもっていっていきます。一般的に、コンバイン1袋は30㎏ほどだと思われます。ですが父は脱穀の際に袋交換するのが面倒らしく、35~7キロほど詰め込みます。このお米を精米すると、大体8割程度になります。我が家ではこのお米を、1か月ほどで食べきります。

 近所の稲の収穫が終わりかけたころ、近くのコイン精米所に張り紙がされていました。その内容は『水分量の多い籾は精米機に入れないでください。故障の原因になります』です。新米の時期になると方々のコイン精米所が故障する原因がこれでわかりました。収穫したばかりのお米は、出荷したての籾の水分量が多いことでもわかるように、乾燥が十分ではありません。そんなお米をしまいすると、精米機が壊れてしまうようです。自家用米の水分なんて、測りませんからねぇ。

 本日2か所の精米所で、故障の張り紙がされていました。


 最近、精米以外の目的で精米所を訪れる方々がいらっしゃいます。家庭菜園をされる方々の間で、有機肥料として米ぬかやもみ殻が人気のようです。

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