読まれるお話って
この週末、ちょっとした騒ぎがありました。すでにご存じのように、更新されたエッセイに片っ端からコピペで感想を送った方がいました。満点で評価しておいたからよろしく、ってことらしいです。この方のこの行為に対して怒りを覚えた方が多かったらしく、通報されたようです。
ポイントがほしいなら、少しでも読んで内容にふれたコメントをすれば、皆さんに怒りを買うことはなかったと思います。内容も読まずにただポイントだけもらっても、気持ち悪さだけしか残りません。気持ち悪い数日を過ごして、投稿するつもりのネタが、頭の中からすっ飛んでしまいました。あーもったいない。
どんな方がこんなことをするのかと思って、その方のページまで行ってみました。かなりの量の文章を書かれている方でしたが、どうも私の趣味ではなくて読まずに帰ってきました。
削除されたようで、すでにこの方のページに行けないのですが、確か同じような作品ばかり書かれていました。ランキングに入りたいのだったら、作風を変えるとか、取り扱うネタを変えると、他人事ながら思ってしまいました。
そこで、読まれるお話って何なんだろうってと考えてみました。
私が初めて徹夜したのは、小学5年せいだったか6年生だったか。母の本棚にあった、永井路子さんの『北条政子』を読んでいたら、朝になっていたのです。歴史もよく知らない、鎌倉の地理も知らない、難しい漢字が出てきたら飛ばしてしまうような状態で、それでも続きが気になって眠ることができなかったのです。これぞ、文章力なのでしょうねぇ。
司馬遼太郎さんの『国盗り物語』もそうでした。少しづつ読み進めても最後までは読めませんでしたが、武将の名前をすっ飛ばして読むような小学生に、お話の半分も読ませるのは、やはり文章の力がすごかったのだと思います。
このサイト内でも、時々そのようなお話に出会うことがあります。全く興味のない分野のお話なのに、数行読みだしたとたんにお話に引き込まれるような作品。難しい漢字が並んでいるのに、お話の世界観が気に入って最後まで読んでしまう作品。お話の先が分かっているにに、最後まで読んでしまう作品。
それぞれの作品に共通点を探してみました。書きなれている作者さん、考え抜かれた設定、興味深いお話の進み方。最後は、登場人物の魅力でしょか。登場人物に何をさせて、何を言わせるのか。人気のある作品には、登場人物の言葉や地の分の中に、作者さん自身の人生観や哲学のようなものがちらほらと感じることがあります。それでいて説教臭くならないと感じた作品には、お話を進めるだけでなく、作者様の人間性まで出てくるよな気がするのです。
じゃぁお前にそんなすごい話が書けるのか、と言われれば無理です。平々凡々と暮らしてきて、人間も出来ていません。それに加えて、自分の中にあるものをどう表現するのか訓練中です。
でも、亀の甲より年の劫っていう言葉もありますしね。素人の直観とでも思っていただければ幸いです。




