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日々の出来事  作者: 真澄
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食い意地

 休みの日の朝のこと。山に行きたい私と、1日中ゲームやらユーチューブやらを見ていたい子供達との攻防が始まります。天気がいいのに、なぜに家の中にいる必要があるのやら。攻防の末、息子が遠くの公園に行きたいとか言い出しましたけど、そこに行くにはもう時間的に遅すぎます。

「昨日お母さんが言わないから・・・」と娘が言い出しました。

「前々からどこか行こうって誘っても、行きたくなの一点張りじゃない」

「そこをゴリ押して計画すのが、お母さんでしょう」えっ、私が悪いの。なんだか責任を転嫁されたような気がしますけど。

 攻防の最中に、子供たちが学校の音楽会でほかの学年が歌った『シーラカンスをとりにいこう』を、出鱈目に歌いだしました。お弁当をもってシーラカンスを釣りに行こうって歌です。その二番が、プテラノドンを狩に行こうだそうです。あっ、近くに恐竜公園がありました。そこなら斜面だし、木もたくさん生えてるし、プテラノドンを見に行くことで子供たちと合意しました。

 いざ出発するぞという時に、息子の手にラズベリーがあります。我が家の裏にラズベリーが植わっているのですが、そこから採って来たようです。赤くて美味しそうですけれどねぇ、埃が付いていますけど。息子は嬉しそうに頬張っています。この野生児。


 在所の平を囲む山々は、ところどころ地すべり地帯があります。行政は地すべり地帯を買い取って、公園にして管理しています。その公園の一つが、子供が小さい頃から通っている恐竜公園です。昔はだいぶ高い山だったようですが、江戸時代の地震で地盤が崩れてから地すべりが始まってだいぶ低い山になってしまいました。今まで何回も通っているのに、今回初めて説明の看板を読みました。

 その山の東斜面に張りぼての恐竜がいくつも立っています。私が小学生の頃に作られた公園ですから、恐竜たちは最新の研究結果からすると、だいぶ間違っているような気もします。ティラノサウルスなんて、ゴジラみたいに立ちんぼさんです。

 家にいる時にはあんなに嫌がっていたのに、公園に着いたとたんに走り出す息子は、まるでリードを外された犬です。娘はこの公園に来ると、恐竜に登ります。久々に来た今回も、SUV車よりも一回り大きなトリケラトプスをよじ登っています。降りるのが怖いとか可愛いことを言ってますが、登ったのかあなたです。一言

「飛べ」と言って放っておきました。何とかクライムダウンしてきましたけど。

 その後は、坂をかけ登って遊具のある広場へ。そこで一通り遊んだ後は、お腹すいたの連呼が始まりました。まだお昼には時間がありますから、公園の最上部まで我慢させておきました。

 お昼と言っても、急に決まった外出ですから、途中のスーパーで買ってきた菓子パンだけですけど。それでも、家に帰るまでお腹すいたを聞かされるよりもねぇ。

 菓子パンを食べ飽きて走り回っていた息子が、

「キノコ見つけた」と言って帰ってきました。毒キノコだといけないからと、軸の部分を葉でくるんで持ってきました。見ればきれいな、ジコボウです。食べれるキノコだと伝えると、喜んでまた探しに出かけました。公園を下る途中も、キノコを探しています。収穫は2本でしたが、本当にジコボウか心配だったので、管理事務所に聞いてみました。ジコボウで間違いないそうなので、何日か干してからキノコ汁にでもしますか。


 今週息子の学年は、地元の方々と交流する「ふれあい学習」があります。地元の方々に、囲碁や将棋・竹とんぼつくりを教えていただいたり、簡単な工作をしたりします。息子に何を選んだか聞くと、

「美味しいの」と返ってきました。郷土食のつくり方を教えていただくクラスを選んだそうです。


 食い意地のはった息子。食糧危機が来ても、何かしら食べるものを見つけて生きていけそうな気がします。

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