卵かけごはん
「お母さん、卵かけごはんにしていい」という言葉が夕飯時に出ると、敗北感に打ちのめされます。私から見ても、これが寂しい献立だと思うときには仕方がないなと思えるのです。ですが、子供たちの好きそうなおかずを並べた時にこうれを言われると、何とも言えません。
「卵かけごはんってさぁ朝ごはんに食べるもんじゃないのかねぇ」と、嬉しそうに卵をかき回している息子に言ってみるのですが、そんな言葉が耳に入らないように卵をかき回しています。全卵をかき回して、醤油を垂らして普通に食べてくれる分にはいいのです。どこの誰がやったのやら、白身と黄身に分けて白身だけをはじめにご飯に混ぜて、その上から黄身を入れて醤油を垂らすという、よくわからない食べ当たをする時があります。結局混ぜるのだからと思うのですが、子供たちにとっては何かが違うようです。
生卵を食べるのは、日本だけいう事を耳にします。生食出来る卵が確保できないために、ほかの国では生食する習慣がないそうです。では、日本人がいつから生卵を食べているか調べてみました。江戸時代に終わりころの文献に、生卵ををお客様用の朝食に出した記録があるそうです。ですか、江戸時代からしばらくの間、鶏卵は高価なもので一般に出回っていなかったようです。
戦後食糧事情がよくなってくると、卵かけごはんのも一般的になったようです。
少し前まで、卵は1日に一つと言われていました。内科の先生の食事指導でそんな話を聞いたような気がします。確か、コレストロールの摂りすぎになるとか何とか。ですから卵かけごはんを食べた日には、ほかの食事の時には卵料理を食べないようにしていました。今はそんなことは言わないようです。
私も卵かけごはんは、大好きです。でも醤油があってのものだと思っています。映画『バケモノの子』の中で、醤油なしの卵かけごはんを食べるシーンには、引きました。同じように異世界転生のお話で、醤油のない世界で塩だけで生卵を食べるお話は、そこまでして食べたいかと思います。やっぱり、醤油がなければ生臭いだけのような気がします。
10月30日は、卵かけごはんの日だそうです。この日には、ちょっと凝った卵かけごはんでも用意してみましょうか。




