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日々の出来事  作者: 真澄
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コスモス

 娘が年長さんだった時、園長先生がコスモスの苗を抜いていることに驚きました。放っておくと大変なことになりますから、と言いながら雑草のように抜いていきます。育つと大人の背よりも高くなりますけど、むやみに抜かなくてもと思ったことを覚えています。園長先生は、子供たちの遊び場が広くなるように、コスモスを退治していただいたことは理解しているのですが、何か違和感を感じました。

 我が家のモモ畑の隅は、コスモス林になっています。いつからコスモスが咲いているのか知りませんが、毎年毎年種もまかないのに立派に育っています。いつもの年ですとババが適当に間引いて、それなりに畑らしくなっています。とこ今年は、コスモス畑になっていました。ババに理由を聞いてみると、

「気が付いたら、大きくなっていたからさぁ。それに特別、作る作物もなかったし、きれいでしょ」だそうです。ついでに、あまりにも日が強く当たらると野菜が育たないから、日陰を作るためだそうです。コスモスに強い夏の日差しから守られて育ったスイカを、美味しくいただきました。

 

 数年前に、近くの企業が業務拡張のために人員を増員するという事がありました。それに先立って、地元の不動産会社が賃貸の住宅地を確保するために、奔走していました。我が家の隣には、増員する企業の昔の寮がありました。一番古い記憶では女子寮だったものが、いつからか男子寮になり、気が付くと閉鎖されていました。今は、違う会社に貸し出されています。その古い寮を、新築計画が出たそうです。そのためには、我が家の畑の一部がどうしても必要になるとか。住宅街が迫ってきている現状で、手放さない理由もなかったのでしょう。数年前に、畑の一部は不動産会社のものになりました。そのまま、会社の寮が新しくなることになく、畑の隣は草だらけになっています。


 ジジが畑を手放すよりも前から、不動産会社管理の草だらけの元農地はところどころにありました。我が家の元畑も草だらけで放置されるのが悔しくて、手放す年の秋にコスモスの種をばらまいておきました。次の年には、弱々しく数本のコスモスが雑草に紛れて咲いていました。

 今日、畑の草刈りの折に見てみると、雑草の中で元気に咲いているコスモスが増えていました。いつかは一面のコスモス畑になってほしいものです。

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